fc2ブログ
「花を愛で、月を望む」展 南青山 根津美術館
表参道
chariot

南青山の根津美術館では企画展、「花を愛で、月を望む」展が開かれています。
会期は8月22日(日)までです。

花月img153


「名家家集切(是則集)」 伝 紀貫之筆 平安時代 11世紀
花月img154 (7)

坂上是則の家集、是則集の離別部の歌です。

  わするなよわかれぢにおふるくずのはの
  あきかぜふかばいまかへりこむ

「吉野龍田図屏風」 江戸時代 17世紀
和011

和013

和012

右隻は吉野の桜、左隻は龍田川の紅葉という和歌の名所を描いた屏風で、
桜の花弁は胡粉を厚く塗って盛り上げ、豪華に仕上げています。
枝に結ばれた短冊には、古今和歌集と玉葉和歌集に載せられた歌が数首、
書かれています。

  ことしより春しりそむる桜かなちるといふことはならはざらなむ  

                      紀貫之 古今和歌集

  龍田川もみじばながる神なびのみむろの山に時雨ふるらし  

                      詠み人知らず 古今和歌集

「四季草花図屏風」 「伊年」印 江戸時代 17世紀
花月img154 (1)

花月img154 (5)

花月img154 (6)

穏やかな色調で、植物を四季の移り変わりにつれて、右から左に描いています。
薊、蒲公英、土筆、大根、鉄線花、撫子、牡丹、立葵、百合、紫陽花、鶏頭、粟、
茄子、薄、桔梗、萩、菊、南天、水仙などです。
俵屋宗達の工房の作品を表す「伊年」の印が押してあります。

「花白河蒔絵硯箱」 室町時代 15世紀 重要文化財
根津003

足利8代将軍義政の所持とされています。
満開の桜の下に公達を描き、幹などに花・白・河の文字を葦手書き(隠し文字)で
表しています。
新古今和歌集の飛鳥井雅経の歌に拠っています。

  なれなれてみしはなこりの春そとも なとしら河の花の下かけ

「秋野蜘蛛巣蒔絵硯箱」 江戸時代 19世紀
花月img154 (8)

花月img154 (9)

金蒔絵で菊・萩・薄・桔梗を描き、そこに張ったクモの巣に「蜘」の字を置いています。
揃いの料紙箱には「蛛」の字が置かれています。

「武蔵野図屏風」 江戸時代 17世紀
花月img154 (2)

花月img154 (3)

花月img154 (4)

萩、薄、桔梗の茂る秋の武蔵野の広々とした景色で、右隻には沈む紅の夕日、
左隻には昇る銀の月が描かれています。

  武蔵野は月の入るべき山もなし草より出でて草にこそ入れ  古歌

「色絵武蔵野図茶碗」 野々村仁清作 江戸時代 17世紀 重要美術品
中国0

銀を塗って夜景を、大きく丸く塗り残して満月を表し、薄を見込みにまで描き入れて
秋の風情としていて、仁清らしい華やぎがあります。

「志野秋草文水指」 美濃 桃山~江戸時代 16−17世紀 根津美術館
茶陶img242 (3)

ふっくらと白い地に手早く薄が描かれ、素朴な味わいがあります。
志野焼は美濃焼の一種で、茶人の志野宗信が作らせたのが始まりとされています。

「酒呑童子絵巻」(部分) 伝 狩野山楽筆 江戸時代 17世紀
酒呑img461 (2)

酒吞img441 (8)

小ぶりな絵巻で、狩野派の作と考えられます。
勅命で酒吞童子を退治に来た源頼光の一行が屋敷に辿り着いた場面から
庭の景色の場面までが展示されています。
庭は桜、藤、萩、紅葉、雪など四季の景色を一度に見られるという
四方四季の庭ですが、その自然描写が特に丁寧です。

「北野天神縁起絵巻 巻第2(部分)」 室町時代 15世紀 重要美術品
菩薩003

菅原道真の生涯と、怨霊となった道真を祀る北野天神の霊験が描かれています。
太宰府に流される道真が庭に咲く梅と桜を見て、歌を詠んでいる場面です。
道真が配流されたのは旧暦1月のことです。

  こちふかばにほひをこせよ梅の花あるじなしとて春をわするな

  さくら花ぬしをわすれぬ物ならばふきこむ風にことづけをせよ


展示室5のテーマは「つわものの姿」で、甲冑、刀剣などの武具が展示されています。

「黒韋肩取威腹巻」 室町時代 16世紀
花月img154 (10)

背中で引き合わせる腹巻で、大袖が付いています。
鹿革を藍で濃く染めた黒韋威の胸の上(立挙:たちあげ)と袖の上の部分を
紅糸と白糸で威しています。
金具は鍍金した唐草透彫です。


展示室6のテーマは「夏点前―涼みの茶―」です。

「礼賓三島平茶碗」 朝鮮・朝鮮時代 16世紀
花月img154 (11)

茶室に置かれています。
夏向きの平茶碗で、お皿のように平らです。
礼賓は礼賓、内資寺など李朝の官庁名が刻まれた茶碗のことです。

「古染付葡萄絵水指」 景徳鎮窯 明時代 17世紀
絵の音006

こちらも茶室に置かれています。
直径20㎝ほどで、江戸初期に茶人の注文で明の景徳鎮で焼かれた品です。
白地に藍色の葡萄の絵にみずみずしさがあります。

展覧会のHPです。


ちょうど夕立が降ってきました。

ねDSC_0951

ねDSC_0948

関連記事

【2021/07/31 19:28】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
https://nekoarena.blog.fc2.com/tb.php/4470-e2e248a1

プロフィール

chariot

Author:chariot
美術館・博物館めぐりとカフェの記事を書いています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |