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「刀剣 もののふの心」展 六本木 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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サントリー美術館では開館60周年記念展、「刀剣 もののふの心」が開かれています。
会期は10月31日(日)まで、休館日は火曜日です。
会期中、一部展示替えがあるので、展覧会のHPでご確認ください。

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刀剣を中心に甲冑、合戦図屏風など、武家にまつわる作品の展示です。

「太刀 銘□忠 名物膝丸・薄緑」 鎌倉時代 13世紀 京都・大覚寺 重要文化財
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備前長船派の作と考えられ、罪人の首を斬り落としたところ、膝まで斬れたということで、
この名があります。
源氏重代の太刀とされ、さまざまな伝承を持ち、源義経所持という伝承もあります。

「刀 名物義元左文字」 南北朝時代 京都・建勲神社 重要文化財
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博多の刀工の一派、左文字派の作です。
三好政長から武田信虎に贈られ、信虎から今川義元に贈られ、義元の愛刀となりますが、
桶狭間の戦いで討たれた際に織田信長に奪われたとされています。
信長の家来の服部小平太は義元に一番槍を付けていますが、膝を斬られているので、
この刀で斬られたのかもしれません。
信長は短く磨り上げており、茎には金象嵌で「織田尾張守信長」「永禄三年五月十九日
義元討捕刻彼所持刀」とあります。
信長の死後、豊臣秀吉の手に渡り、更に秀頼から徳川家康に贈られ、家康は大坂の陣で
この刀を佩いていました。
明暦3年(1657)の明暦の大火に遭って焼身となったので焼き直しがされています。

「薙刀直し刀 無銘 名物骨喰藤四郎」 鎌倉時代 豊国神社 重要文化財
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骨喰藤四郎(ほねばみとうしろう)は鎌倉時代の刀工、粟田口吉光の作です。
相手を斬る真似をしただけで骨を砕いたと言われ、この名が付きました。
刀身に倶利伽羅が彫られており、元が薙刀だったので、切先が細長くなっています。
豊臣家の所蔵でしたが、大坂夏の陣では堀の中から無傷で発見されていますが、
明暦の大火で焼けたため、焼き直しがされています。

「朱漆塗矢筈札紺糸素懸威具足」 桃山時代 16~17世紀 サントリー美術館
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以前の展覧会での写真です。
10月11日までの展示です。
兜、胴、佩楯を朱漆、草摺を黒漆で塗った鎧で、豊臣秀次所用と伝えられていますす。
素懸威(すがけおどし)は上下の小札をつなぐ糸の間隔を広くしたものです。

「酒伝童子絵巻」 狩野元信 大永2年(1522) サントリー美術館 重要文化財
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酒呑童子の説話には、舞台を大江山とするものと、近江伊吹山とするものがあり、
こちらは伊吹山です。
小田原の北条氏綱の注文により狩野元信と弟子が描いた絵巻で、源頼光と
家来たちが討っている場面では酒呑童子の首が源頼光に喰らい付いています。
戦国時代の好みを映して凄惨な光景ですが、他の場面では同じ日の出来事の中に、
季節の異なる紅白梅、藤、萩、菊が描かれ、目を楽しませてくれます。
私の行った時は源頼光たちが出発の仕度をする場面と、酒吞童子の屋敷に
辿り着く場面が展示されていました。

「石山寺縁起絵巻(模本)」 七巻のうち第六巻(部分)
 江戸時代 19世紀 サントリー美術館

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鎌倉幕府の御家人、中原親能が謀反人を討伐する際、石山寺に祈願したところ、
その加護により討ち果たすことが出来たという話です。
謀反人の館に討ち入りする場面です。

「浄瑠璃物語絵巻」上巻 室町時代 16世紀 サントリー美術館
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源義経と浄瑠璃姫の悲恋の物語です。
義経が奥州平泉に下る途中、三河の浄瑠璃姫の四季の花が同時に咲き乱れる
屋敷の庭を見て、素晴らしさに驚いています。
極楽浄土のような景色で、反り橋に立つのが義経です。

「調馬・厩馬図屏風」 桃山時代 16~17世紀 滋賀・多賀神社 重要文化財
右隻
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左隻
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六曲一双の屏風で、右隻では馬の調教の模様を座敷から眺めています。
左隻は厩に並んだ馬です。
馬は武士にとって大切な道具で、よく絵の題材にもなっています。
織田信長が天正9年(1581)に京都で行なった盛大な軍事パレードも
京都御馬揃えと呼ばれていました。

「日吉山王祇園祭礼図屛風」 六曲一双 土佐派 室町時代 16世紀
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10月11日までの展示です。
近江日吉大社山王祭の船渡御の様子と京都八坂神社の祇園祭の様子が描かれています。
祇園祭の場面では山鉾や山車が巡行し、喧嘩も始まっています。

祇園祭の山鉾巡行で先頭を行く長刀鉾に立てられる、延宝3年(1675)和泉守来金道作の
巨大な長刀も展示されています。
来派は鎌倉時代から京都で続く刀工の一派です。
現在は真剣では重いので、竹に銀箔を貼ったものを立てているそうです。

名刀が揃い、いろいろな屏風絵や絵巻物なども展示されていて、面白い展覧会です。

展覧会のHPです。


6階のホールには刀剣男子のパネルがあって、記念撮影も出来ます。
右から膝丸、義元(宗三)左文字、秋田藤四郎、骨喰藤四郎です。
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窓からの眺めです。
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ミッドタウンの1階にはブドウが活けてありました。
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【2021/09/23 19:58】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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