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江戸東京博物館 常設展示室 2022/1 その1
両国
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江戸東京博物館は4月1日から令和7年度中まで大規模改修工事のため、
全館休館するとのことなので、常設展示室を観てきました。
記事は2回に分け、今日はその1です。

実際の長さの半分を復元した木製の日本橋
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これを渡って展示室に入ります。

「江戸図屏風」 江戸時代 複製
右隻
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元資料は国立歴史民俗博物館所蔵です。
明暦3年(1657)の明暦の大火以前の江戸と近郊の景色を描いています。
右隻には猪狩、鹿狩、川越城、上野東照宮、神田明神、湯島天神、水戸中納言下屋敷、
加賀肥前守下屋敷、吉祥寺、お茶の水の高林寺などが見えます。
狩りの場面では3代将軍家光を笠を差し掛けて顔が見えない形で描いています。
水戸中納言は水戸藩初代の徳川頼房、加賀肥前守は加賀藩3代の前田利常で
ともに家光と関係の良かった人物です。
現在は文京区向丘にある高林寺は明暦の大火前はお茶の水にありました。
名水の湧く井戸で知られ、お茶の水の地名の由来にもなっており、絵にも井戸が
画かれています。

左隻
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左隻には江戸城、各大名屋敷、増上寺、日本橋、京橋、新橋、目黒不動、雉狩、
江戸湾に浮かぶ幕府の軍船と御召船奉行の向井将監の屋敷などが描かれ、
遠くに富士山も見えます。
軍船には日の丸の旗が立てられ、葵紋と向井家の上がり藤紋の幕が張られています。
大名屋敷はどれも桃山風の豪壮な造りで、駿河大納言忠長の屋敷もあります。
忠長は家光の弟ですが、兄と折り合いが悪く、最後は自刃しています。
江戸城天守閣は家光の建てた黒板壁のものが描かれています。

幕末の江戸城本丸・西丸御殿の1/200模型
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江戸城天守閣は家康が慶長期に建てた後、2代秀忠の元和、3代家光の寛永と
2度も建替えられています。
しかし、明暦3年(1657)の明暦の大火で焼失した後は再建されていません。

江戸城本丸大広間・松の廊下・白書院の1/30模型
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浅野内匠頭が吉良上野介に切りつけたのは元禄14年3月14日、白書院に通じる
松の廊下でのことです。

江戸城大手門の前にあった、福井藩主松平忠昌(1597-1645)の上屋敷の模型
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明暦の大火で焼失しており、以後はこのような桃山風の豪華な大名屋敷は
建てられていません。

日本橋北詰の賑わい
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歌川広重の「東海道五十三次之内 日本橋 朝之景」はここを描いています。

越後屋の店先
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今の三越本店辺りです。
とても大きなお相撲さんが歩いていて、周りの人が驚いて見ています。

江戸三座の一つ、中村座の正面の原寸大復元
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市村座、森田座とともに歌舞伎が演じられていました。

江戸三大祭の一つ、神田祭の須田町の山車
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神田祭は山車の行列で有名でした。

「火消千組の図絵馬」(複製) 歌川国芳画
 天保4年(1833) 成田山霊光館/原資料所蔵
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江戸町火消の中で、現在の中央区霊岸島辺りを受け持っていた、「千組」の絵馬です。

火事と喧嘩は江戸の華と云われていた時代、火消は江戸庶民の憧れの的で、
特に纏(まとい)持ちは目立つので美男が選ばれていました。

右:一番組い組纏(模型)
左:六区五番組纏(模型)
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い組は室町などを担当区域とし、纏の形は大岡越前守が考案したとされる
「芥子に枡」で、「消します」の洒落になっています。
歌舞伎の「め組の喧嘩」で有名なめ組は芝辺りが担当です。

明治になると江戸の火消は再編成され、番号制になります。
六区五番組の担当区域の中に江戸東京博物館の辺りがありました。


江戸東京博物館では3月7日まで「徳川一門 ―将軍家をささえたひとびと―」展が
開かれています。

「徳川一門 ―将軍家をささえたひとびと―」展の記事です。

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【2022/01/29 19:53】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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