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「ミロ展 日本を夢みて」 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
chariot

Bunkamuraザ・ミュージアムでは「ミロ展 日本を夢みて」が開かれています。
会期は4月17日(日)までです。

ミロimg588 (2)


ジョアン・ミロ(1893-1983)は日本に深い関心を寄せていた画家で、展覧会では
日本との関係にも注目しています。

ミロはバルセロナの生まれで、1912年にバルセロナの美術学校に入学しています。

「アンリク・クリストフル・リカルの肖像」 1917年 ニューヨーク近代美術館
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アンリク・クリストフル・リカルは美術学校の友人で、ともに日本文化への
関心を持っていました。
油彩画ですが、背景に日本の浮世絵をコラージュしてあります。
ちりめん絵という、幕末から明治にかけて輸出された安価な浮世絵で、
絵師の名も不詳ということです。
パレットも描かれていてリカルが画学生であることを示しています。
シャツの太い縞が大胆で、色彩も輝いて元気の良い絵です。

「花と蝶」 1922-23年 横浜美術館
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ハイビスカスとカンナを差した花瓶に蝶を配していて、日本の活け花のような
趣きのある絵です。
リカルは戦国時代の連歌師、荒木田守武の句をカタルーニャ語に訳してもいます。

  落花枝(らっかえ)にかへると見れば胡蝶かな

ミロは1918年にバルセロナの画廊で初の個展を開いています。
その後パリに出て、シュルレアリスムの運動に参加していますが、作風は他の
シュルレアリスムの画家とかなり違います。

「パイプを吸う男」 1925年 富山県立近代美術館
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ミロの画風が出来上がっています。
パイプの煙がぷかぷかと浮いていて、ミロの作品にはどこかとぼけた味わいがあります。

「焼けた森の中の人物たちによる構成」 1931年 ジュアン・ミロ財団、バルセロナ
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日本で最初に公開されたミロの作品で、1932年から日本で開かれた
巴里東京新興美術展に出展されています。
ミロなど、シュルレアリスムの絵画や詩は山中散生や瀧口修造たちによって
戦前から日本に紹介されています。

「絵画(カタツムリ、女、花、星)」 1934年 国立ソフィア王妃芸術センター
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フランスの実業家の依頼によるタペストリーの原寸大の下絵です。
文字も描き込まれていて、リズム感があります。
画面の中に絵と文字があるというのは東洋画の一つの特徴です。

「ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子」 1945年 福岡市美術館
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第2次世界大戦中にマヨルカ島に籠っていた時の作品です。
教会のオルガンの響き、ステンドグラスの輝きを絵画化しています。

「絵画」 1966年 ピラール&ジュアン・ミロ財団、マジョルカ
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1966年に来日し、帰国した1か月後に描いた作品です。
日本の書に触発された作品で、油彩ですが木炭も使われ、にじみ、はねも
表現されています。

ミロが収集していた日本の民芸品や大津絵も展示されていて、ミロの日本文化への
関心の深さが窺えます。 

展覧会のHPです。

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【2022/02/24 18:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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