乃木坂
六本木の国立新美術館で開かれている「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」の
記事、その2です。
会期は5月30日(月)まで、火曜日は休館日です。
前回のルネサンスの時代が終り、バロック、そしてオランダ絵画です。
アンニーバレ・カラッチ 「猫をからかう二人の子ども」 1587–88年頃

エビを猫の耳に近付けて喜んでいる子どもたちで、猫はむかついた顔をしています。
アンニーバレ・カラッチ(1560-1609)はバロックを代表する画家で、マニエリスムの
技巧や奇抜さを離れ、古典様式を復活させたとされています。
カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ) 「音楽家たち」 1597年

初期の作品で、パトロンだったデル・モンテ枢機卿の邸宅に居た頃に描かれています。
モデルを雇う金が無く、自分をモデルにしていた頃の作品ですが、カラヴァッジョの
特徴の明暗を強調した絵になっています。
2016年に国立西洋美術館で開かれた「カラヴァッジョ展」の記事です。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 「女占い師」 おそらく1630年代

若い裕福な男が女占い師の話に気を取られている隙に、娘たちが財布や装身具を
掠め取ろうとしています。
カラヴァッジョの影響を受けた画家で、幼子イエスがロウソクを掲げる「大工ヨセフ」で
有名ですが、このような明るい色彩でありながら、しれっと冷ややかな作品も描いています。
ペーテル・パウル・ルーベンス
「聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ」 1630年代初頭/中頃

左下と右上を結ぶ画面になっていて、バロックを代表するルーベンスらしい、
堂々とした描き振りの人物群です。
ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス 「男性の肖像」 1635年頃

無地を背景に黒い髪、黒い服の男性がこちらを見つめている、落着いた雰囲気の
肖像画です。
クロード・ロラン(本名 クロード・ジュレ) 「日の出」 1646–47年頃

朝日が木々や遠くの丘を照らし、牛や羊を追う人が点景のように描かれています。
クロード・ロラン(1600年代 - 1682)はフランス古典主義の画家で、理想化された
古代の風景を得意としています。
ニコラ・プッサン 「足の不自由な男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ」 1655年

エルサレムの神殿で奇跡を起こすペテロとヨハネです。
ラファエロの「アテネの学堂」に倣った堂々とした画面です。
ニコラ・プッサン(1594 - 1665日)もクロード・ロランと並ぶフランス古典主義の画家で、
二人は仲が良かったようです。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 「聖母子」 おそらく1670年代

もやのかかったような柔らかな描き方をする前の時期の作品で、気品と優しさに
満ちています。
ヨハネス・フェルメール 「信仰の寓意」 1670–72年頃

プロテスタントの国、オランダにしては珍しいカトリックの寓意の散りばめられた作品で、
カトリック教徒の注文で描かれたものと思われます。
女性の身振りが大げさで、フェルメールらしさに欠けるところがあります。
レンブラント・ファン・レイン 「フローラ」 1654年頃

フローラはローマ神話の春と花の女神で、多くの画家に描かれています。
レンブラントも妻のサスキアをモデルにして描いています。
この絵の頃はサスキアは既に亡くなっており、ヘンドリッキエを愛人にしていた時期です。
若い時の「フローラ」の華やかさに対し、こちらは深みと翳りがあります。
ヤン・ステーン 「テラスの陽気な集い」 1670年頃

ヤン・ステーンお得意の乱痴気騒ぎで、左の酔っぱらって座っている男はヤン・ステーン
自身とのことです。
ヤン・ステーン(1626-1679)はオランダの風俗画家で、
猥雑な情景の風俗画で知られています。
展覧会のHPです。
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六本木の国立新美術館で開かれている「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」の
記事、その2です。
会期は5月30日(月)まで、火曜日は休館日です。
前回のルネサンスの時代が終り、バロック、そしてオランダ絵画です。
アンニーバレ・カラッチ 「猫をからかう二人の子ども」 1587–88年頃

エビを猫の耳に近付けて喜んでいる子どもたちで、猫はむかついた顔をしています。
アンニーバレ・カラッチ(1560-1609)はバロックを代表する画家で、マニエリスムの
技巧や奇抜さを離れ、古典様式を復活させたとされています。
カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ) 「音楽家たち」 1597年

初期の作品で、パトロンだったデル・モンテ枢機卿の邸宅に居た頃に描かれています。
モデルを雇う金が無く、自分をモデルにしていた頃の作品ですが、カラヴァッジョの
特徴の明暗を強調した絵になっています。
2016年に国立西洋美術館で開かれた「カラヴァッジョ展」の記事です。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 「女占い師」 おそらく1630年代

若い裕福な男が女占い師の話に気を取られている隙に、娘たちが財布や装身具を
掠め取ろうとしています。
カラヴァッジョの影響を受けた画家で、幼子イエスがロウソクを掲げる「大工ヨセフ」で
有名ですが、このような明るい色彩でありながら、しれっと冷ややかな作品も描いています。
ペーテル・パウル・ルーベンス
「聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ」 1630年代初頭/中頃

左下と右上を結ぶ画面になっていて、バロックを代表するルーベンスらしい、
堂々とした描き振りの人物群です。
ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス 「男性の肖像」 1635年頃

無地を背景に黒い髪、黒い服の男性がこちらを見つめている、落着いた雰囲気の
肖像画です。
クロード・ロラン(本名 クロード・ジュレ) 「日の出」 1646–47年頃

朝日が木々や遠くの丘を照らし、牛や羊を追う人が点景のように描かれています。
クロード・ロラン(1600年代 - 1682)はフランス古典主義の画家で、理想化された
古代の風景を得意としています。
ニコラ・プッサン 「足の不自由な男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ」 1655年

エルサレムの神殿で奇跡を起こすペテロとヨハネです。
ラファエロの「アテネの学堂」に倣った堂々とした画面です。
ニコラ・プッサン(1594 - 1665日)もクロード・ロランと並ぶフランス古典主義の画家で、
二人は仲が良かったようです。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 「聖母子」 おそらく1670年代

もやのかかったような柔らかな描き方をする前の時期の作品で、気品と優しさに
満ちています。
ヨハネス・フェルメール 「信仰の寓意」 1670–72年頃

プロテスタントの国、オランダにしては珍しいカトリックの寓意の散りばめられた作品で、
カトリック教徒の注文で描かれたものと思われます。
女性の身振りが大げさで、フェルメールらしさに欠けるところがあります。
レンブラント・ファン・レイン 「フローラ」 1654年頃

フローラはローマ神話の春と花の女神で、多くの画家に描かれています。
レンブラントも妻のサスキアをモデルにして描いています。
この絵の頃はサスキアは既に亡くなっており、ヘンドリッキエを愛人にしていた時期です。
若い時の「フローラ」の華やかさに対し、こちらは深みと翳りがあります。
ヤン・ステーン 「テラスの陽気な集い」 1670年頃

ヤン・ステーンお得意の乱痴気騒ぎで、左の酔っぱらって座っている男はヤン・ステーン
自身とのことです。
ヤン・ステーン(1626-1679)はオランダの風俗画家で、
猥雑な情景の風俗画で知られています。
展覧会のHPです。
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