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古今集 ほのぼのと明石の浦の
ほのぼのと
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ほのぼのと明石の浦の朝霧に嶋がくれ行く舟をしぞ思ふ

ほのぼのと夜が明ける明石の浦の朝霧の中で、島の陰に隠れて行く舟を思うことだ。

古今集羇旅歌409番、よみ人しらずの歌です。

詞書に、「このうたはある人のいはく、柿本人麿が歌なり」とあります。

「ほのぼのと」で、ゆるやかに詠い出し、「明石」で、夜明けを暗示させ、
「朝霧」につなげます。
視界が広がったところで、今度は「嶋がくれ行く舟」に焦点を合わせます。
最後に、舟も見えなくなった広い景色の中に取り残された思いを訴えます。
「の」音の連なり、明石と朝霧の「あ」音の連なりなど、調べも良い歌です。

古今集の頃に比べ、直接的な詠いぶりで、古い時代の歌と分かりますが、
心に響く力強さがあります。

以前、出光美術館で開かれていた、「ユートピア 描かれし夢と楽園」展にも、
佐竹本三十六歌仙絵巻のうち、この歌の書かれた柿本人麿の姿が展示されていました。

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【2010/02/20 05:55】 文学 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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