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「東京国立博物館のイスラーム陶器」展示と上野公園の彫刻 2022年
上野
chariot

東京国立博物館の東洋館3階5室では創立150年記念特集として、「東京国立博物館の
イスラーム陶器」の企画展示があります。
中国陶磁の一角に約50点が展示され、会期は2023年1月22日(日)までです。

イスラーム陶器は現在のイラン、イラク、シリア、トルコ、エジプトを中心とした地域で
焼かれた陶器を言います。

「三彩刻花文鉢」 イラン、ニーシャープール サーマーン朝・9~10世紀
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白土で化粧を施し、線彫りで格子と渦巻きを描き、黄と緑の鉛釉でなぞり、
褐釉で斑文を散らしています。
サーマーン朝(873~ 999)はイラン東部と中央アジア西南部を支配した王朝です。

「白釉浮文瓶」 イラン セルジューク朝~ホラズム・シャー朝・12~13世紀初頭
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12世紀のイランで、石英とガラスを混ぜたフリット胎土が使われるようになります。
これにより型押しや多彩な色釉薬が可能になっています。
ホラズム・シャー朝(1077~1231)はイラン、中央アジアを支配した王朝ですが、
モンゴル帝国に滅ぼされています。

「青緑釉藍彩鉢」 イラン セルジューク朝~ホラズム・シャー朝・12~13世紀初頭
イDSC03511


「色絵人物文鉢」 イラン、カーシャーン ホラズム・シャー朝・1180年代~1220年代
イDSC03490

白い錫釉を掛け、黒釉で輪郭線を取り、赤、青、ターコイズ色などで彩色しています。
人物は可愛く描かれています。
「ミナイ手」と呼ばれています。

「多彩鉢」 イラン イル・ハーン朝・13世紀中頃~14世紀中頃
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黒釉で細かい文様を描き、ターコイズ色で彩色しています。
イル・ハーン朝はモンゴル帝国の地方政権で、13世紀中頃~14世紀中頃に
イラン、イラク、アナトリア東部を支配していました。

「多彩鳥形手付瓶」 イラン イル・ハーン朝・13世紀中頃~14世紀中頃
イDSC03485

黒、藍、ターコイズ色の彩色が施されています。

ラスター彩も何点か展示されています。

「ラスター彩掻落鳥文水差」
 イラン、カーシャーン ホラズム・シャー朝・1200~1230年

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ラスター彩は焼成した白い錫の鉛釉の上に、銅や銀などの酸化物で
絵付けをした陶器で、金属色の輝きがあります。
9~10世紀にアッバース朝のバクダードを中心に製作され始め、12世紀末には
イランに伝わった技法です。

右 「ラスター・藍彩鳥文鉢」
 イラン、カーシャーン ホラズム・シャー朝・1200~1230年

左 「ラスター彩掻落銘文入鉢」
 イラン、カーシャーン ホラズム・シャー朝・1200~1230年

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「ラスター・藍彩人物文鉢」
 イラン、カーシャーン ホラズム・シャー朝・1170年代末~1200年頃

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ラスター彩と藍彩を使ってます。


「黄釉白堆緑彩刻文鉢」 エジプト マムルーク朝・14世紀
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緑彩が少し入って、アクセントになっています。
マムルーク朝は奴隷出身の騎兵による軍人王朝で、13世紀から16世紀にかけて
エジプト、シリア、紅海西岸を支配しました。

「黄緑釉白彩鉢」 エジプトまたはシリア マムルーク朝・14~15世紀
イDSC03550


西域風の中国陶磁もあります。

「白磁鳳首瓶」 中国 唐時代・7世紀 重要文化財
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鳳首には目が鉄絵具で描かれ、下が棒状で、栓になっています。
鳳首瓶は胡瓶とも呼ばれ、ササン朝ペルシャの金属器に起源を持つ形です。

「三彩貼花龍耳瓶」 中国 唐時代・8世紀 重要文化財
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古代ギリシャのアンフォラのような形で、西方の香りがします。

「五彩金襴手水注」 中国、景徳鎮窯 明時代・16世紀 重要美術品
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華やかな金襴手の水注で、西域の器を模しています。

***

上野公園の中の、旧東京音楽学校奏楽堂前の「芸術の散歩道」には毎年、
東京藝術大学卒業生による彫刻の修了制作が置かれています。
現在は2022年の終了制作が並んでいます。
春に写真を撮ったのですが、UPするのが遅れてしまいました。

「currve tunnel」 石田己和
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「わたしの秘密基地」 岩井りと
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「うずくまる少年」 永井遼太朗
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「YOCA」 三澤萌寧
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上野不忍池の蓮は茶色く枯れて、冬景色になっています。

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【2022/12/25 17:49】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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