上野
上野の東京国立博物館で開かれている新年恒例の「博物館に初もうで」に
今年も行ってきました。
会期は1月29日(日)までです。
記事は4回に分けて書き、今日はその1で、今年の干支の兎にちなんだ作品の展示です。
兎の展示は本館ではなく、平成館の1階です。
「染付水葵に兎図大皿」 伊万里 江戸時代・19世紀

一面の水葵の中にレリーフで兎を浮き出させるという、豪華なお皿です。
愛嬌のある表情をしています。
「染付吹墨亭兎図皿」 伊万里 江戸時代・17世紀

初期伊万里で、呉須を吹き付けて兎と雲、建物を表しています。
「染付兎形皿」 御深井 江戸時代・19世紀

桃の形をした皿で、灰釉が掛かり、耳をぴんと立て、面白い表情をしています。
17世紀に名古屋城内で焼かれた御深井焼に由来すると考えられる製法です。
「藍釉兎」 唐時代・8世紀

小さな兎で、墳墓の副葬品です。
前脚を立てて座るのは野兎の特徴とのことです。
「黒釉兎唐草文双耳大壺」 元時代・13~14世紀

茶色の地に掛けた黒釉を搔き落として、兎や唐草を描いた、おおらかな趣きの壺です。
「豆兎蒔絵螺鈿硯箱」 伝永田友治作 江戸時代・19世紀


蒔絵に鉛板や螺鈿を貼った豪華なつくりで、蓋の裏には兎がいます。
永田友治(生没年不詳)は江戸中期に京都で活躍した琳派の蒔絵師です。
「金茶糸素懸威波頭形兜」 江戸時代・17世紀 個人蔵

兜に張り子をかぶせる張懸という技法で、波頭と兎の耳を表しています。
波と兎の組み合わせは一つの様式になっています。
「波兎蒔絵旅櫛笥」 江戸時代・17世紀

携帯用の化粧道具入れで、長い耳の兎が元気に波の上で躍っています。
能の「竹生島」では「月海上に浮かんでは兎も波を走るか おもしろの島の景色や」と
謡っています。
「火事装束 紺麻地波兎雨龍模様」 江戸時代・19世紀

麻の単で夏用の仕立てで、武家の女性用の火事装束です。
波頭に兎、雨龍という、水にちなんだ模様をあしらっています。
「十二天像(月天)」 室町時代・15世紀


インドの神が密教に取り込まれて仏教の守護神となっています。
左手に持つ月輪の中に兎が居ます。
「仏涅槃図」 鎌倉時代・14世紀


釈迦の入滅を嘆き悲しむ弟子や動物たちで、兎も混じっています。
「吉例 兎の年礼噺」 蓮池堂画 明治5年(1872)

翌明治6年は酉年で、鶏の所へ兎が年始の挨拶に来て、忙しくて年始廻りが
遅くなったと自慢しています。
この頃は大変な兎ブームで、兎の市が禁止されていたほどだったそうです。
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上野の東京国立博物館で開かれている新年恒例の「博物館に初もうで」に
今年も行ってきました。
会期は1月29日(日)までです。
記事は4回に分けて書き、今日はその1で、今年の干支の兎にちなんだ作品の展示です。
兎の展示は本館ではなく、平成館の1階です。
「染付水葵に兎図大皿」 伊万里 江戸時代・19世紀

一面の水葵の中にレリーフで兎を浮き出させるという、豪華なお皿です。
愛嬌のある表情をしています。
「染付吹墨亭兎図皿」 伊万里 江戸時代・17世紀

初期伊万里で、呉須を吹き付けて兎と雲、建物を表しています。
「染付兎形皿」 御深井 江戸時代・19世紀

桃の形をした皿で、灰釉が掛かり、耳をぴんと立て、面白い表情をしています。
17世紀に名古屋城内で焼かれた御深井焼に由来すると考えられる製法です。
「藍釉兎」 唐時代・8世紀

小さな兎で、墳墓の副葬品です。
前脚を立てて座るのは野兎の特徴とのことです。
「黒釉兎唐草文双耳大壺」 元時代・13~14世紀

茶色の地に掛けた黒釉を搔き落として、兎や唐草を描いた、おおらかな趣きの壺です。
「豆兎蒔絵螺鈿硯箱」 伝永田友治作 江戸時代・19世紀


蒔絵に鉛板や螺鈿を貼った豪華なつくりで、蓋の裏には兎がいます。
永田友治(生没年不詳)は江戸中期に京都で活躍した琳派の蒔絵師です。
「金茶糸素懸威波頭形兜」 江戸時代・17世紀 個人蔵

兜に張り子をかぶせる張懸という技法で、波頭と兎の耳を表しています。
波と兎の組み合わせは一つの様式になっています。
「波兎蒔絵旅櫛笥」 江戸時代・17世紀

携帯用の化粧道具入れで、長い耳の兎が元気に波の上で躍っています。
能の「竹生島」では「月海上に浮かんでは兎も波を走るか おもしろの島の景色や」と
謡っています。
「火事装束 紺麻地波兎雨龍模様」 江戸時代・19世紀

麻の単で夏用の仕立てで、武家の女性用の火事装束です。
波頭に兎、雨龍という、水にちなんだ模様をあしらっています。
「十二天像(月天)」 室町時代・15世紀


インドの神が密教に取り込まれて仏教の守護神となっています。
左手に持つ月輪の中に兎が居ます。
「仏涅槃図」 鎌倉時代・14世紀


釈迦の入滅を嘆き悲しむ弟子や動物たちで、兎も混じっています。
「吉例 兎の年礼噺」 蓮池堂画 明治5年(1872)

翌明治6年は酉年で、鶏の所へ兎が年始の挨拶に来て、忙しくて年始廻りが
遅くなったと自慢しています。
この頃は大変な兎ブームで、兎の市が禁止されていたほどだったそうです。
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