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「所蔵作品展 MOMATコレクション」 東京国立近代美術館 2023年1月
竹橋
chariot

東京国立近代美術館では「所蔵作品展 MOMATコレクション」が開かれています。
今回の会期は2月5日(日)までです。

今回は富岡鉄斎、山本丘人などの作品と戦争画を載せます。

富岡鉄斎 「花桜人武士図(はなはさくらひとはぶしず)」 1920年
きDSC07505

桜の木の下で扇で顔を隠した武士が寝ています。
花見の宴で寄っていい気持ちになったのでしょうか。
墨による幹の描き方が秀逸です。
「花は桜木、人は武士」は一休の言葉とされています。
枕草子の「春は曙」につながる表現です。

富岡鉄斎 「思邈僊窠図(しばくせんかず)」 1923 年
きDSC07501

思邈は隋から唐にかけての医学者、薬学者で、薬王とも呼ばれ、100歳を超える
長寿を保ったとされています。
喉に骨が刺さって苦しむ虎を助けたことから、虎は思邈を守り、思邈が薬草を
採りに行くときは背中に乗せていったそうです。
聖ヒエロニムスがライオンの足に刺さった棘を抜いてあげた話とよく似ています。
僊窠は茶などを入れて運ぶつづらのことです。

富岡鉄斎 「蓬莱仙境図」 1924年
きDSC07497

蓬莱山は不老長寿の薬草の生える島とされ、竹取物語にも書かれています。
清の始皇帝の命で徐福が蓬莱山を目指して出航し、向かった先が日本だとも
伝えられています。

山本丘人(1900~1986)は日本画の革新を目指して奮闘した画家です。
展示室にはその革新運動を起こす前の初期の作品、3点が展示されています。

山本丘人 「廣小路夕景」 1932年
きDSC07483

上野の山から上野広小路を見下ろした光景です。
西郷像は左手にあります。

山本丘人 「はつなつ」 1932年
きDSC07478

フランス人形のような女の子を描いた、ハイカラな絵柄です。

山本丘人 「福原愛子像」 1933年
きDSC07475

資生堂創業者の孫で社長だった福原義春氏の母親の肖像です。
初夏でしょうか、とても爽やかな作品です。
以上の3点は福原義春氏の寄贈です。
後の荒々しいまでの作風と比べると、どれも穏やかで優しい作品揃いです。

2010年に日本橋髙島屋で開かれた「山本丘人展」の記事です。

岸田劉生 「冬瓜茄子図」 1926年
きDSC07487

岸田劉生(1891~1929)は洋画家ですが、日本画も描いています。

小川芋銭 「金太郎」 1928年
きDSC07493

小川芋銭(1868~1938)は生涯、牛久沼の近くに住み、河童などの妖精を
よく描いた画家です。
この金太郎も河童に似た趣きがあります。

以下は戦争画の展示です。

藤田嗣治 「哈爾哈河畔之戦闘」 1941年
きDSC07467

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きDSC07470

1939年にモンゴルと中国の国境付近を流れる哈爾哈(ハルハ)河で
日本軍とソ連軍が衝突したノモンハン事件を題材にしています。
平原でソ連軍戦車を攻撃する日本軍の歩兵を描いていますが、
この時期は後に描いた戦争画に比べて、」まだ色彩も明るく、
どこかのどかな雰囲気があります。
実際のノモンハン事件は日ソ両軍とも大きな損害を受けた苛烈な戦闘でした。

宮本三郎 「本間、ウエンライト会見図」 1944年
きDSC07463

太平洋戦争で1941年から日本軍はフィリピンを攻略し、駐留していたアメリカ軍は
1942年5月に降伏しています。
日本軍司令官、本間雅晴中将とアメリカ軍司令官、ウエンライト中将の会見の模様を
描いていますが、会見する両将を左に寄せ、撮影する報道班員を中心にした
珍しい構図です。

小磯良平 「カンパル攻略(倉田中尉の奮戦)」 1944年
きDSC07460

太平洋戦争開戦当日の1941年12月8日に日本軍はマレー半島のコタバルに上陸し、
シンガポールを目指して南下します。
途中のカンパルでのイギリス軍との交戦を描いていますが、逃げるイギリス兵も
追う日本兵も草に隠れて、まるで風景画のようです。
ヨーロッパの初期の風景画家が人物を点景のように描き加えて、歴史画や宗教画ですと
言っていたのと似ています。

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【2023/01/31 20:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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