二重橋前・東京
丸の内に昨年開館した静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)では「お雛さま
岩崎小弥太邸へようこそ」展が開かれています。
会期は3月26日(日)までです。

三菱財閥の4代目総帥、岩崎小弥太(1879-1945)の麻布鳥居坂の邸宅
(現国際文化会館)を飾っていた雛人形などの展示です。
五世大木平藏 「岩﨑家雛人形のうち内裏雛」 昭和時代初期 20世紀

岩崎小弥太が孝子夫人のために特注したお雛様です。
男雛は皇太子の着る鴛鴦丸(えんおうまる)文様の黄丹袍(おうにのほう)、
冠は立纓(りゅうえい)です。
女雛は牡丹文の十二単を着て、髪はおすべらかし、宝冠には岩崎家の替紋の
花菱紋が打ってあります。
他に三人官女、五人囃子、随身、道具類など一式が展示されています。
「立雛 次郎左衛門頭」 江戸時代 18~19世紀

災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
衣装には目出度い松竹梅と高砂の翁媼が描かれています。
次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も務めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。
「子供五人囃子」 江戸時代 18世紀

北尾重政(1739 – 1820)の作と思われます。
雪持笹の振袖に結び柏の裃の少年が大鼓を打っています。
「曜変天目」(稲葉天目) 建窯 宋時代 12~13世紀 国宝

徳川家光から春日局に下され、子孫の稲葉家に伝えられたのでその名があります。
曜変天目は日本に数点あるだけの大変珍しい品で、特にこの稲葉天目は有名です。
小さな天目茶碗ですが、見込みの斑文は星のように輝き、観る角度によって
その色も微妙に変わり、小さな宇宙を観るような景色です。
野々村仁清 「色絵吉野山図茶壷」 江戸時代 17世紀 重要文化財

壷の周りにぐるりと、桜が満開の吉野山を描いています。
黒い空と金の雲との取り合わせがとても華やかで、仁清らしい濃厚な味わいです。
川端玉章 「墨梅図屏風」 19~20世紀

六曲一双の屏風で、初公開とのことです。
右上と左下から枝が向かい合って延びています。
川端玉章(1842-1913)は円山応挙の孫弟子の中島来章に入門しています。
東京に出て高橋由一から洋画も学び、後には東京美術学校の教授も務めています。
前田青邨 「蘭陵王」 昭和11年(1936)

「蘭陵王」は雅楽の演目の一つです。
北斉の武人皇族、高長恭(541 ~ 573)の活躍を演じるものです。
前田青邨(1885-1977)は小弥太夫妻の日本画の師でした。
前田青邨の作品は4点、展示されています。
展覧会のHPです。
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丸の内に昨年開館した静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)では「お雛さま
岩崎小弥太邸へようこそ」展が開かれています。
会期は3月26日(日)までです。

三菱財閥の4代目総帥、岩崎小弥太(1879-1945)の麻布鳥居坂の邸宅
(現国際文化会館)を飾っていた雛人形などの展示です。
五世大木平藏 「岩﨑家雛人形のうち内裏雛」 昭和時代初期 20世紀

岩崎小弥太が孝子夫人のために特注したお雛様です。
男雛は皇太子の着る鴛鴦丸(えんおうまる)文様の黄丹袍(おうにのほう)、
冠は立纓(りゅうえい)です。
女雛は牡丹文の十二単を着て、髪はおすべらかし、宝冠には岩崎家の替紋の
花菱紋が打ってあります。
他に三人官女、五人囃子、随身、道具類など一式が展示されています。
「立雛 次郎左衛門頭」 江戸時代 18~19世紀

災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
衣装には目出度い松竹梅と高砂の翁媼が描かれています。
次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も務めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。
「子供五人囃子」 江戸時代 18世紀

北尾重政(1739 – 1820)の作と思われます。
雪持笹の振袖に結び柏の裃の少年が大鼓を打っています。
「曜変天目」(稲葉天目) 建窯 宋時代 12~13世紀 国宝

徳川家光から春日局に下され、子孫の稲葉家に伝えられたのでその名があります。
曜変天目は日本に数点あるだけの大変珍しい品で、特にこの稲葉天目は有名です。
小さな天目茶碗ですが、見込みの斑文は星のように輝き、観る角度によって
その色も微妙に変わり、小さな宇宙を観るような景色です。
野々村仁清 「色絵吉野山図茶壷」 江戸時代 17世紀 重要文化財

壷の周りにぐるりと、桜が満開の吉野山を描いています。
黒い空と金の雲との取り合わせがとても華やかで、仁清らしい濃厚な味わいです。
川端玉章 「墨梅図屏風」 19~20世紀

六曲一双の屏風で、初公開とのことです。
右上と左下から枝が向かい合って延びています。
川端玉章(1842-1913)は円山応挙の孫弟子の中島来章に入門しています。
東京に出て高橋由一から洋画も学び、後には東京美術学校の教授も務めています。
前田青邨 「蘭陵王」 昭和11年(1936)

「蘭陵王」は雅楽の演目の一つです。
北斉の武人皇族、高長恭(541 ~ 573)の活躍を演じるものです。
前田青邨(1885-1977)は小弥太夫妻の日本画の師でした。
前田青邨の作品は4点、展示されています。
展覧会のHPです。
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