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東京国立博物館 総合文化展 2023年3月 その1
上野
chariot

2月に展示替えになった東京国立博物館本館の総合文化展(平常展)に行ってきました。
2回に分けて記事にして、今日は1回目です。

「江戸城本丸大奥御対面所障壁画下絵」 狩野養信 江戸時代・19世紀
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未来の国宝という意味で、2月26日まで国宝室に展示されていました。
天保15年(1844)の江戸城本丸火災後の再建のため制作された障壁画の下図です。
赤染衛門らの作と伝えられる「栄花物語」の巻第一「月の宴」の場面で、
村上天皇も御簾の内に描かれています。
理想の時代とされた、醍醐天皇・村上天皇による延喜・天暦の治が
江戸城の御殿を飾る題材に選ばれていました。
狩野養信(1796 –1846)は木挽町狩野9代目で、江戸城西の丸御殿や本丸御殿の
障壁画を手掛けています。

「大般若経 巻第四百六十八(神亀五年五月十五日長屋王願経)」
 奈良時代・神亀5年(728) 個人蔵 重要文化財

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天武天皇の孫、長屋王が両親や歴代の天皇の追善のために書写させたものです。
巻末には書写や校閲などの担当者名も書かれています。
1行17字の原則に則っていますが、罫線は引かれていません。
長屋王自身は藤原氏の陰謀により神亀6年(729年)に自殺させられています。

「普賢菩薩像」 鎌倉時代・13世紀
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華やかに装った菩薩や白象、異国風の従者は南宋頃に多い作例だそうです。

「遊行上人縁起絵巻」 鎌倉時代・14世紀 重要文化財
時宗の祖、一遍と二世の他阿の事績を描いた絵巻です。
尾張国の甚目寺(じもくじ)では毘沙門天が出現し、その霊験により人々に
飲食が振る舞われる場面です。
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毘沙門天が現れます。
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被差別民らしき人々も描かれています。
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「鶴草紙」下巻 筆者不詳 江戸時代・17世紀 
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零落した貴族が鶴を救うと、鶴は人の姿になって現れ、二人は結ばれますが、
鶴は転生を約束して去った後、十数年後に再び現れ、二人は添い遂げる
というお話です。

「黒漆銀銅蛭巻太刀」 南北朝時代・14世紀 重要文化財
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黒漆塗りで、鍍銀した銅の薄板を鞘に巻いてあります。
柄も鞘もかなり長い、武骨な拵えです。
陸奥を拠点にした南朝方の武将、南部政長(?ー1360)の所用と伝えられています。

「呉州赤絵蓮池水禽文鉢」 中国・漳州窯 明時代・17世紀
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漳州窯(しょうしゅうよう)は明から清時代に福建省の漳州に分布していた窯で、
赤絵などを生産し、景徳鎮窯に倣った作風も見られ、アジアやヨーロッパに
輸出されています。
地方窯らしく、のびのびと大らかな描きぶりです。

「安南染付唐草文香合」 ベトナム 15~16世紀
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安南焼はベトナムの焼き物です。
灰色の地に白釉を化粧掛けして下絵付けし、透明釉を掛けた、可愛らしい香合です。

「赤楽茶碗」 得入作 江戸時代・宝暦12年(1762)~明和7年(1770)
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得入(1745ー1774)は樂家8代目ですが、30歳で亡くなっているため、
作品は多くありません。

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【2023/03/02 19:17】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • つくも茄子ですか。現在は静嘉堂文庫が所蔵しています。
    秀吉の北野大茶会でも展示されていたことでしょう。
    貴賤を問わず参加すべしとの茶会でしたから、茶入一つ持って参加するのも一興でしょう。

    【2023/03/06 23:12】 url[chariot #H4z1joGM] [ 編集]
  • 私、何故か九十九髪茄子持ってます。無論レプリカ(今となっては本物がどんなのかもわからんのに(笑))ですが。とは言え、桐箱に入ってなかなかどうして高そうである。ま、猫に小判、miss.keyに茶道具なんですけどね。

    【2023/03/06 21:04】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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