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「どうする家康」展 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館ではNHK大河ドラマ展「どうする家康」が開かれています。
会期は6月11日(日)までです。

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会期中、かなりの展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認下さい。

「金陀美具足」 桃山時代 16世紀 静岡・久能山東照宮博物館 重要文化財 
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徳川家康(1543‐1616)の初陣は永禄3年(1560)の桶狭間の戦いの前哨戦である
今川方の大高城への兵糧の運び込みでした。
その時着用の甲冑とされ、漆を塗り金粉をまぶした金陀美(金溜塗)で、
装飾は無く、兜は前立ても無い頭形兜(ずなりかぶと)という、簡素な当世具足です。

隣には2代将軍秀忠の「茶糸威具足」も展示されていますが、かなり胴が太く、
秀忠は大きな体格だったようです。

「長篠合戦図屏風」 江戸時代 17世紀 名古屋市博物館 
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6曲1隻の屏風で、織田徳川連合軍が描かれています。
馬防柵の前に出て連吾川を越えて攻撃しています。
徳川家康の金扇の馬印も見えます。

「織田信長像」 狩野宗秀 天正11年(1583) 愛知・長興寺 重要文化財
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5月30日からの展示です。
信長の一周忌に信長の家臣、与語久三郎正勝が狩野永徳の弟、狩野宗秀に
描かせたものです。
織田信長像の代表となる絵で、鼻は大きく、眉間の皺が癇の強そうな性格を
表しています。
長興寺は臨済宗の寺院で、城と間違えた信長の焼討ちにあったこともあります。
5月14日までは狩野永徳の描いた大徳寺蔵の織田信長像が展示されています。

「明智光秀像」(部分) 江戸時代 17世紀 岸和田・本徳寺 
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4月30日までの展示です。
明智光秀像として知られている唯一の画像です。
本徳寺は臨済宗の寺院で、明智光秀の子と伝わる南国梵桂の開基です。

「豊臣秀吉像 南化玄興賛」(部分) 狩野光信
 桃山時代 16 ~ 17世紀 京都・高台寺 重要文化財

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5月14日までの展示です。
高台寺は豊臣秀吉の正室北政所の建立した臨済宗の寺院です。
南化玄興は妙心寺58世住持で、多くの戦国大名の帰依を受け、田中吉政の
依頼で秀吉像に賛を書いています。
田中吉政は関ヶ原の戦いでは東軍に付き、石田三成を捕縛した功で柳川32万石の
大名に取り立てられています。

「聚楽第行幸図屏風」 江戸時代 17世紀 堺市博物館 
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5月14日までの展示です。
関白豊臣秀吉が天正16年(1588)に後陽成天皇を聚楽第に迎える盛儀を描いています。
元は6曲1双だったのを2曲1双に仕立て直したらしく、左右の隻の画面がつながって
いません。

「小面(花の小面)」 龍右衛門作
 室町時代 14 〜 16世紀 三井記念美術館 重要文化財

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豊臣秀吉が愛好したという「雪」・「月」・「花」の小面の一つで、特に後世の作の
手本となったそうです。
「雪」は金春太夫に、「月」は徳川家康に、「花」は金剛太夫に下賜されましたが、
「月」は江戸城の火災で焼失しています。

「豊臣秀吉自筆辞世和歌詠草」 豊臣秀吉
  桃山時代 16世紀 大阪城天守閣 重要文化財 

5月14日までの展示です。

つゆとをちつゆときへにしわかみかな なにわの事もゆめの又ゆめ

秀吉が夢と述懐した通り天下の大坂城は後に大坂夏の陣で焼亡してしまいました

「内府ちがいの条々」 慶長5年(1600)7月17日 大阪歴史博物館  
5月16日からの展示です。
徳川家康が軍勢を率いて上杉景勝の会津征伐に赴いた隙を狙って、長束正家・増田長盛・
前田玄以の三奉行が発した家康への弾劾状です。
原本は確認されておらず、写しが何点か残っています。

「関ヶ原合戦図屏風(津軽屏風)」
 桃山~江戸時代 16 ~ 17世紀 大阪歴史博物館 重要文化財

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右隻は慶長5年(1600)9月14日の東西両軍が集結した状況で、大垣城も見えます。

(左隻部分)
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合戦当日の9月15日の様子が描かれ、合戦の終盤、西軍が敗走し、島津の陣地に
火が放たれ、東軍が押し寄せています。
武具を剥がされ、首を取られた落ち武者も散らばっています。
津軽家伝来の屏風で、徳川家康の養女、満天姫が津軽信枚に嫁いだ際の
嫁入り道具とされています。
満天姫は家康の異母弟、松平康元の娘で、福島正則の養嗣子福島正之に嫁ぎますが、
正之に先立たれた後、津軽信枚の正室となります。

「大日本五道中図屏風(江戸~京都)」江戸時代 19世紀 三井記念美術館
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8曲2双という長大な屏風で、徳川家康の事績を描き込んでいます。

駿府
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久能山東照宮
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家康は駿府で没後に駿府の久能山東照宮に葬られ、その後3代将軍家光によって
日光東照宮に改葬されています。

関ケ原には東西両軍の布陣が書かれています。
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「大坂冬の陣図屏風」 江戸時代 19世紀 東京国立博物館
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慶長19年(1614)の大坂冬の陣の様子です。

真田丸に立て籠もる赤備えの真田軍
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寄せ手の作った弾除けの竹束や土塁
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晩年の徳川家康が日常使っていた脇差、茶碗、香炉、硯などの品々も展示されています。

「洋時計」 1573年製 1581年改造 久能山東照宮博物館 重要文化財
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房総沖で難破したスペイン船の船員を救助したお礼に慶長16年(1611)に
スペイン国王フェリペ3世から贈られた時計です。
ブリュッセルで製作され、マドリッドで改造された国内最古の時打ち時計です。
現場で救助を指揮したのは大多喜領主の本多忠朝で、忠朝は大坂夏の陣で
討死しています。

「短刀 無銘正宗 名物日向正宗」 鎌倉時代 14世紀 三井記念美術館 国宝
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5月14日までの展示です。
豊臣秀吉から石田三成に下され、三成から妹婿の福原直高に与えられ、 
関ヶ原の戦いで大垣城の守将だった直高から水野日向守勝成が分捕っています。
その後、紀州徳川家に渡り、昭和の始めに三井家の所有となっています。
細身で、反りの無い姿です。

茶室の如庵は家康ゆかりの茶道具の展示です。

徳川家康自筆 小倉色紙臨模 「こひすてふ…」
 桃山~江戸時代 16~17世紀  愛知・徳川美術館 

5月14日までの展示です。
百人一首にも載っている壬生忠見の歌です。
藤原定家の書風に似ているなと思ったら、定家の小倉色紙の模写で、
家康は定家様を好んだようです。

後水尾天皇宸翰神号「東照大権現」 後水尾天皇
 江戸時代 17世紀 静岡・久能山東照宮博物館 

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5月14日までの展示です。
徳川家康は死後、神として祀られ、朝廷から東照大権現の神号を賜っています。

「太刀 無銘 光世 切付銘 妙純伝持 ソハヤノツルキウツスナリ」
 伝三池光世 鎌倉時代 13世紀 静岡・久能山東照宮博物館 重要文化財 

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5月14日までの展示です。
身幅は広く、樋も入った、とても豪宕なつくりです。
家康の差料で常に身近に置かれていました。
死去の直前には罪人の試し斬りをさせ、西国への抑えとして切先を西に向けて
久能山東照宮に置くよう命じています。
しかし、家康の危惧した通り、幕末には島津や毛利など関ヶ原に敗れた西国諸藩を
中心とする勢力によって徳川幕府は滅びています。

「革柄蠟色鞘刀拵」 桃山~江戸時代 16 ~ 17世紀
 静岡・久能山東照宮博物館 重要文化財 

5月14日までの展示です。
無銘光世の拵えで、太刀ではなく打刀の拵えです。
鞘も蠟色一色の簡素なつくりになっています。
家康は派手好みではなく、の所持品も簡素な物を好んだようです。
豊臣秀吉が刀掛けに掛けてある五大老の刀を見て、誰の差料か言い当てたそうですが、
家康の好みも知っていたのでしょう。
天下を取るだけあって人物を見る目も確かだったようです。

展覧会のHPです。

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【2023/04/22 18:50】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 家康にしては華やかですが、装飾は無くて簡素ではあります。
    前田利家の鎧も金尽くめの何とも派手な物です。

    【2023/04/24 21:53】 url[chariot #H4z1joGM] [ 編集]
  • きんきんきらきら
  • 金というと秀吉って感じですが、どうしてどうして家康もキンキラ好きだったんですねぇ。

    【2023/04/24 07:38】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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