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東京国立博物館の総合文化展(平常展) 2023年4月 その1
上野
chariot

4月に展示替えになった東京国立博物館の総合文化展(平常展)の記事を3回に分け、
今日その1で、仏画や書跡などを載せます。

「普賢菩薩像」 平安時代・12世紀 国宝
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国宝室の展示です。
普賢菩薩は女人往生を説く法華経に登場するので、特に女性の信仰を集めています。
法華経に説かれた白色玉の身体をして、衣には截金が施され、白象に乗った
この上なく優美な姿で、天蓋には花が飾られています。
3年掛けた修理の後の展示ですが、写真は修理前のものです。

「白衣観音図」 吉山明兆筆、健中清勇賛 室町時代・15世紀
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白衣観音(びゃくえかんのん)は三十三観音の一人で、白衣を着けています。
水墨のぼかしや濃淡など巧みに使い分けて描いています。
吉山明兆(1352-1431)は東福寺の画僧で、後の日本の仏画に大きな影響を
与えています。
健中清勇は建仁寺の121世住職です。

「白衣観音図」 伝 一之筆 室町時代・15世紀
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衣を広げて座す観音の下には水流が波打ち、背景には滝も見えます。
縦2mを超える大きな作品で、儀式に使われたものと思われます。
一之(?-1394)は東福寺の画僧で、明兆に師事していますが
明兆よりかなり早く亡くなっているようです。

「文殊菩薩図」 伝 霊彩筆 室町時代・15世紀
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湧き上がる雲が囲む構図で、繊細な線描が際立っています。
霊彩(生没年不詳)は明兆に師事したとも言われる画僧です。
寛正4年(1463)に朝鮮に渡り、世祖に「白衣観音図」を贈ったことが知られています。

「薬師如来坐像」 平安時代・11世紀 綜合警備保障株式会社蔵
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右手は施無畏印、左手は与願印を結び、掌に薬壺を載せています。
丸みを帯びた穏やかな作風で、平安後期の定朝様でつくられています。

「称讃浄土仏摂受経」奈良時代・8世紀
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無量寿仏(阿弥陀仏)の極楽浄土の壮麗さを説いたお経です。
1行目に「三蔵法師玄奘奉」とあります。
白荼毘紙という厚手の紙に書かれています。
荼毘紙は釈迦の骨粉を漉き込んだものとされていましたが、マユミの樹皮から
作られていたことが分かりました。

「願文」 慈円筆 鎌倉時代・貞応3年(1224) 重要文化財
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死期を悟った慈円(1155-1225)が乱れた臨終を迎えないようにと
比叡山の地主神である山王権現に奉った願文です。
父の関白藤原忠通の始めた法性寺流の書風で、力強さがあります。

「書状案断簡」 文覚筆 鎌倉時代・12~13世紀
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文覚(生没年不詳)は伊豆に配流された源頼朝に挙兵を促したとされ、
荒法師として知られています。
誰かに宛てた手紙の下書きで、取り消し線が入っています。
「もんかハたすかり候なむや」と書かれています。

「詩歌屏風」 良寛筆 江戸時代・18世紀
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和歌と漢詩が良寛特有の細く力強い字で書かれています。
良寛(1758-1831)は曹洞宗の僧で、書家として知られ、和歌や俳句、漢詩も
能くしています。
書は始めは平安時代の「秋萩帖」を手本とし、やがて独自の書風となっています。

「蘇詩帖」 頼山陽筆 江戸時代・19世紀
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頼山陽(1781-1832)は歴史家、文人で、歴史書「日本外史」で有名です。
蘇軾の詩の抜き書きで、雄渾な書風です。

江上愁心千疊山
浮空積翠如雲煙    
山耶雲耶遠莫知    
烟空雲散山依然

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【2023/04/23 19:19】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 文化財は劣化や盗難があるので、管理が大変です。
    東博なら管理も修復もしっかりしていますが、小さなお寺や神社はそうもいきません。
    善光寺でさえ、おびんずるさんを盗んでしまうとんでもない奴がいるのですから。

    【2023/04/24 21:52】 url[chariot #H4z1joGM] [ 編集]
  • 日本の宝です
  •  今更ですが、文化財の盗難が多いらしいです。地方の神社やお寺などは対盗難の管理が結構甘いですからね。人もいないしお金もかかるからやりきれないのでしょうが。
     某国で発見された盗難仏像、色々と難癖をつけられて未だ返ってこないそうです。その間も保管がいい加減でどんどん劣化していると聞きました。隣国のつまらない虚栄心の為に日本の宝が傷つけられ失われるのは悲しいものです。

    【2023/04/24 07:36】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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