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「救いのみほとけ」展 表参道 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館では企画展、「救いのみほとけ」が開かれています。
会期は7月2日(日)までです。

地蔵img781 (1)


我々になじみの深い、お地蔵様についての展覧会です。

地蔵菩薩は、釈迦の入滅後、56億7千万年後の弥勒菩薩が出現するまでの間、
現世で救済を行なう仏とされています。
剃髪し袈裟をまとった僧形で、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ姿で表される
ことが多いです。
地蔵菩薩の信仰は平安時代に広まっています。

「大方広十輪経 巻第四(五月一日経)」 奈良時代 8世紀
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光明皇后が亡き両親の藤原不比等と橘三千代の追福のため発願した一切経の一巻です。
「天平十二年五月一日記」と書かれているので五月一日経の名があります。
十輪経は地蔵について書かれた経です。

「地蔵菩薩立像」 平安時代 久安3年(1147) 重要文化財
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等身大の大きな木造で、彩色も少し残っています。
平安時代らしい、とても優美なお顔のお地蔵様で、額の白毫(びゃくごう)は
水晶を嵌めてあります。
像内に納められた墨書銘に久安3年に源良兼らを願主として、仏師快助によって
造立されたと記されています。

「地蔵菩薩坐像」 鎌倉時代 13世紀
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襟や衣文の彫りは深く写実的で、左足を前に出して座る姿は初期の慶派に多い
作例とのことです。
「地蔵菩薩立像」の穏やかな表情と比べ、こちらはきりりとした表情です。

「地蔵菩薩像 」 鎌倉時代 14世紀
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阿弥陀如来でなく地蔵菩薩が衆生を浄土へ導くため雲に乗って現れています。
この姿の地蔵菩薩図は鎌倉時代以降数多く制作されたそうで、細部まで一致する像を
奈良国立博物館も所蔵していて、地蔵信仰の広がりを感じさせます。

「釈迦地蔵来迎図 」 鎌倉時代 14世紀 神奈川・寳生寺蔵
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釈迦如来が地蔵菩薩を従えて、弥勒の兜率天への往生へ導くという、
かなり珍しい図様です。
衆生を救済するのは釈迦だけであり、その務めを地蔵にゆだねたとする、
興福寺出身の法相宗の僧、貞慶(1155-1213)の信仰が反映されている
可能性があるそうです。
貞慶は、保元の乱で暗躍し平治の乱で討たれた信西の孫で、弥勒を
篤く信仰していました。
鎌倉時代に浄土教が興ると、旧仏教側も地蔵による救済を盛んに説くように
なったそうです。

「地蔵十王図(秦広王図)」 室町時代 15世紀
地蔵img781 (8)

10幅のうち2幅の展示です。
地蔵十王は地獄で亡者を裁く10人の王で、秦広王は初七日に裁きます。
背景の山水画は巧みな描き振りです。
閻魔王は35日目の王で、地蔵菩薩が本地とされ、地蔵は衆生を地獄の
責め苦から救ってくれる存在として信仰を集めます。

「矢田地蔵縁起絵巻」(部分) 室町時代 16世紀 重要美術品
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毎月決まった日に奈良の金剛山寺(矢田寺)に参詣し、地蔵菩薩に祈願すると
地獄の責め苦から救われるという霊験を説く絵巻です。
生前の罪業を鏡に映されたり、熱で溶けた鉄を飲まされる亡者たちも描かれています。
矢田寺は真言宗の寺院で、地蔵信仰の中心となっています。
矢田寺の地蔵の右手は阿弥陀如来の印である、指で輪をつくる来迎印を
しているのが特徴です。
毎月24日は地蔵の縁日とされ、地蔵菩薩を祀る寺院では法要が営まれます。

初公開の作品も多く、お地蔵さまにもいろいろな姿があるのが分かり、
なかなか面白い展示です。

展示室5のテーマは「西田コレクション受贈III 阿蘭陀・安南」です。
西田宏子氏より受贈した工芸品169件の一部を3回に分けて展示しています。
第3回はオランダやベトナム、中国などの陶磁器と漆器です。
安南はベトナム中部の古い名称です。

「藍絵花鳥文茶器」 オランダ 17世紀
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日本からの注文品と思われ、染付ではなく、錫釉の上にコバルトで絵付けしてあります。

展示室6のテーマは「涼一味の茶」です。
涼しさをもたらす茶道具の展示です。

「三島茶碗 銘 上田暦手」 朝鮮時代 16世紀
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三島茶碗は朝鮮に注文して作られた茶碗で、線や花模様を彫った象嵌の
技法が使われています。
細かい模様が伊豆の三嶋大社の配布していた三島暦に似ていることから
この名があります。

「祥瑞瑠璃釉瓢形徳利」 景徳鎮窯 明時代 17世紀
紙の装飾7

すがすがしい青色で、底の裏に「五良大甫呉祥瑞造」とあります。
祥瑞(しょんずい)とは、日本の茶人の注文により景徳鎮で焼かれたとされる
染付のことです。

展覧会のHPです。

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【2023/06/15 18:15】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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