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「琳派のやきもの —響きあう陶画の美」展 日比谷 出光美術館
日比谷・有楽町
chariot

出光美術館では、尾形乾山生誕360年「琳派のやきもの —響きあう陶画の美」展が
開かれています。
会期は7月23日(日)までです。

琳派焼物img801 (1)

今年は京都の陶工で、尾形光琳の弟でもある尾形乾山(1663 - 1743)の生誕360年と
いうことで、琳派の陶磁器を特集した展示です。


第1章 詩書画の陶芸

「銹絵菊図角皿」 尾形乾山 絵 尾形光琳 江戸時代中期
文雅img263 (4)

兄の光琳が描き、弟の乾山が焼いた角皿で、書も乾山です。

  花中真隠逸
  浥露倣深秋

菊は隠逸花と呼ばれ、菊を愛した隠逸の詩人、陶淵明にちなんでいるそうです。

『銹絵楼閣山水図八角皿「寶永年製」銘』 尾形乾山 宝永年間(1704-11)
仁清007

二重の囲み線の中に唐の詩人、章八元の「題慈恩寺塔」に依った絵が銹絵で描かれ、
水墨のような味わいを出しています。
十層突兀在虛空 四十門開面面風と書かれていて、描かれている絵は、ここには
書かれていない、滿城春樹雨濛濛の詩句を想像させています。
描かれた絵から書かれていない言葉を引き出す、「当てもの」の趣向になっています。

「銹絵竹図角皿」 尾形乾山 絵 尾形光琳 江戸時代中期
琳派焼物img801 (3)

杜甫の詩、「厳鄭公宅同詠竹」の一節が書かれています。

  雨洗娟娟淨 風吹細細香

「銹絵獅子香炉」 尾形乾山 江戸時代中期
琳派焼物img801 (8)

高欄の中で鞠を持つ獅子が摘みになっています。
乾山としては珍しい手の込んだつくりで、これは京焼の伝統に則ったものと
思われるそうです。

「銹絵富士山文茶碗」 野々村仁清 江戸時代前期 
出光3-13-2010_001

ふっくらした姿でやや三角に歪められ、白釉の上に銹絵で三峰型の様式的な形の
富士山と雲を描いています。
仁清は色絵で有名ですが、それ以前は白釉や錆絵のものを制作しています。
公家の宴では白木の三宝やかわらけの食器を用い、一度使うと捨てていたことから、
食器の嗜好も白い物、清らかな物を好んだことによるものだそうです。


第2章 王朝文学の情緒

「色絵定家詠十二ヵ月和歌花鳥図角皿」 尾形乾山 江戸時代中期
琳派焼物img801 (6)

裏に藤原定家の和歌が書かれてる12枚の角皿すべてが展示されています。
二、四、六、七、九、十二月を琳派風に、残りの月を狩野派風に描いています。
旧暦七月は初秋ということで、かささぎと女郎花です。

「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」 尾形乾山 江戸時代中期 重要文化財
仁清006

蒔絵硯箱などの木器を元にしたと思われ、素地の上に金銀や白、染付を使って
松を描いています。
内側は白化粧に金彩と染付で波を描き、砂浜の松林を表す意匠になっています。
鳴滝に居た頃の作と思われ、乾山焼で銀彩を使うのは珍しいそうです。
鳴滝は京の乾(北西)の方向にあったことから、乾山の号を用いています。


第3章 交響をなす琳派の陶画

「鹿蒔絵硯箱」 伝 尾形光琳 江戸時代中期
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平蒔絵に鉛板の鹿や草を貼ってあります。
硯箱の中には光琳波が描かれています。

「染付白彩流水文鉢」 尾形乾山 江戸時代中期
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口縁を波打った形につくり、化粧土と染付で光琳波を表しています。

「色絵龍田川文透彫反鉢」 尾形乾山 江戸時代中期
乾山004

鉢の外側にも内側にも紅葉と川波を描いています。
紅葉の名所、竜田川の水面を切り取って器に仕立てています。

「色絵紅葉文壺」 尾形乾山 江戸時代中期
色絵img107 (2)

赤青黄の紅葉が六角形をしていて、モダンなデザインです。

「色絵梅花文四方香炉」 野々村仁清 江戸時代前期
色絵img126 (1)

つまみは兎、取っ手は中国の青銅器の象の形をしていて、煙穴も菊の形をしています。

「色絵乙御前人形」 仁阿弥道八 江戸時代後期 
やきものimg185 (6)

乙御前とはおたふく、おかめのことで、しもぶくれの愛らしい顔が特徴です。
狂言に登場する役柄で、髪は狂言の成立した室町時代の垂髪です。
扇、七宝、梅花という目出度い模様の着物を着て、手には宝珠を持っています。
仁阿弥道八(1783-1855)は京焼の高橋道八家の2代目で、茶道具から置物、
彫塑的な作品まで幅広い領域の作品を手掛けています。


特集 重要文化財「色絵芥子文茶壺」をめぐりみる

「色絵芥子文茶壺」 野々村仁清 江戸時代前期 重要文化財
琳派焼物img801 (2)

高さ43.4㎝の大きな壷で、ころりとした親しみやすい形をしています。
肩に金彩で切箔を散らしたように描き、赤い芥子の花を金の輪郭線で取り巻き、
裾に「仁清黒」と呼ばれる漆のような黒を配しています。
屏風絵と蒔絵の意匠を焼き物に融合した作品とのことです。
独立した展示ケースに置かれていて、四方から観ることが出来ます。


第4章 継承される陶画の美

「梅・撫子・萩・雪図」 尾形乾山 寛保2年(1742)
萩図
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雪図
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春夏秋冬の四幅対になった軸物で、金箔地に描き、和歌を添えています。
梅・撫子は7月2日まで、萩・雪図は7月4日からの展示です。

「富士図扇面」 伝 尾形光琳  薄下絵 鈴木其一
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尾形光琳が描いたとされる扇面を、鈴木其一が薄を描いた台紙に貼ってあります。
其一は富士から伊勢物語の「東下り」の段を連想し、同じ伊勢物語の「武蔵野」の段を
導き出して、薄をあしらったのではないかということです。

俵屋宗達などの屏風絵も展示されていて、たっぷり琳派を味わえる展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2023/06/19 20:18】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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