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「木島櫻谷 ― 山水夢中」 六本木 泉屋博古館東京
六本木1丁目
chariot

六本木の泉屋博古館東京では特別展「木島櫻谷 ― 山水夢中」が開かれています。
会期は7月23日(日)までです。
会期中に展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認下さい。

木島img809 (1)


木島櫻谷(このしまおうこく、1877-1938)は京都三条室町の生まれで、
四条派の今尾景年に師事しています。
文展、帝展に出品し、審査員も務めて、京都画壇の第一人者となっています。
晩年は画壇から離れ、郊外の衣笠に移り住み、漢籍に親しみながら画三昧の
生活を送っています。

泉屋博古館東京ではこれまで2回、木島櫻谷展を開いてきましたが、
今回は写生に基いた山水画を中心にした展示です。

「画三昧」 昭和6年(1931) 櫻谷文庫
木006

晩年の自画像といえる作品で、描き始めの木炭の筆を持って
画架に向かっているところです。
読書好きを表すように、卓子の上には和綴じの本が載っています。

木島櫻谷は写生を重視し、各地に赴いて写生を続けています。
単に写すのではなく、その生命力を写すことを心がけていたようです。

各地を訪れた時の写生帖は撮影可能です。

京都洛北 明治38年
こDSC02542

山梨八代郡下九一色 明治41年
こDSC02527


「泊船」 ⼤正4年(1915)
木島img809 (8)

掛軸で、明治45年の旅の福井県美浜町早瀬の写生を基にしています。
夕暮れの風景で、家に灯る明かりも見えます。

「南陽院本堂障壁画」 明治43年(1910) 京都・南陽院
木島img809 (7)

南陽院は明治43年に創建された、南禅寺の塔頭です。
木島櫻谷が襖絵を制作しています。
古典的な山水画の風景を写生に基いて再構築し、横に大きく展開しています。
山道を行く人馬も小さく描いて、抒情性も見せています。

「万壑烟霧(ばんがくえんむ)」 明治43年(1910)株式会社千總
6曲1双のとても大きな屏風で、広々とした山水を見事に描き出しています。
34歳頃の作で、その力量には驚きます。

「寒月」 明治45年(1912) 京都市美術館
木003

右隻
木005

左隻
木004

6月18日までの展示です。
雪の積もった月夜の竹藪に狐が一匹、現れています。
狐の細かい毛並み、雪折れした竹、竹の周りの雪の溶けた具合など
写実的で、狐は動物園での写生を基にしているそうです。
沈んだ色彩は月夜の冷え冷えと冴えた空気を感じさせます。

「駅路之春(うまやじのはる)」 ⼤正2年(1913) 福⽥美術館
木島img809 (2)

右隻
木島img809 (6)

木島img809 (5)

左隻
木島img809 (3)

木島img809 (4)

柳の下の茶店で振袖の女性や侍がくつろぎ、馬をつないだ馬方が一休みしています。
桜は散る花弁で表し、菜の花やすみれも見えます。
馬のおだやかな表情も春のうらうらとした風情を感じさせます。

晩年は画壇を離れたためか、現在では同じ京都画壇でも竹内栖鳳ほどは
知られてはいませんが、四条派伝統の写実に近代的な感覚の加わった、
品格のある作風の画家です。

今までの展覧会で、装飾的な作品や動物画などを見てきましたが、
今回は近代性のある山水画を楽しむことが出来て、木島櫻谷が
幅の広い領域を持った画家だったことを知りました。

2014年に開かれた「木島櫻谷―京都日本画の俊英」展の記事です。

2018年に開かれた「木島櫻谷 Part I 近代動物画の冒険」展の記事です。

2018年に開かれた「木島櫻谷 Part II 木島櫻谷の「四季連作屏風」
+近代花鳥図屏風尽し」展の記事
です。

展覧会のHPです。

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【2023/06/17 20:01】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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