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「物語る絵画展」 表参道 根津美術館 その1
表参道
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表参道の根津美術館では企画展、「物語る絵画展」が開かれています。
会期は8月20日(日)までです。

物語img903


記事は2回に分け、今日はその1で、仏教や源氏物語、平家物語関係の作品を載せます。

「絵過去現在因果経 」(部分) 良盛筆/慶忍・聖衆丸画 
 鎌倉時代 建長6年(1254) 重要文化財

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釈迦の前世の物語と現世の伝記を記した経で、上半分に絵が添えられています。
釈迦の前身の太子が出家を決意して白馬に乗ってひそかに城を出て行く場面です。
絵過去現在因果経(絵因果経)は中国が起源ですが、松や紅葉を新たに加えたのは
日本的趣向とのことです。

「涅槃図(部分)」 行有・専有筆 南北朝時代 康永4年(1345) 重要文化財
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お釈迦様が入滅された時の模様を描いた仏画で、興福寺大乗院絵所の
行有・専有父子の作です。
大きな画面で、お寺での絵解きに使われたのでしょう。
お釈迦様の横たわる寝台の周りには、弟子たちが集まって、泣いたり、
悲しみに沈んでいます。

「十二因縁絵巻」(部分) 鎌倉時代 13世紀 重要文化財
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羅刹(鬼)の姿をした、人間の苦悩の原因である12の因縁を折叱王(せったおう)が
次々と退治して行き、最後に苦悩の根本である無明羅刹を捕えているところで、
動物たちが並んでその様子を眺めています。
後ろには松などの樹木が描かれています。

「高野大師行状図画」 巻第二 室町時代 16世紀
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弘法大師空海の伝記を描いた十巻本ですが、巻第一を欠いています。
唐に渡った空海の長安での事績の場面では、空海が川の水に詩を書くと
その文字は水に流れていき、文殊菩薩の化身である童子が龍を描き、
最後に眼に点を入れると本物の龍になっています。
文字通り、画龍点晴のお話です。

「源氏物語図屏風(右隻)」 6曲1双 桃山〜江戸時代 17世紀
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若紫の巻の場面
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光源氏が紫の上を垣間見る若紫の巻や、末摘花を訪ねる蓬生の巻などが
描かれています。
狩野派は中国画を得意としていますが、やまと絵も手掛けています。

「浮舟図屏風」 江戸時代 17世紀
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源氏物語の「浮舟」の一場面で、匂宮が浮舟を連れ出して舟で宇治川を
渡っているところです。
六曲一隻で、金色の舟が真中に斜めに大きく描かれているのが印象的です。
長谷川派の作らしいものの、舟の表現には俵屋宗達の影響が見られるそうです。

「平家物語画帖」 (上中下・三帖)  江戸時代 17世紀
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「平家物語画帖」は実際の扇面より小さな金地の画面にきらびやかな大和絵で
平家物語の各場面が描かれています。
詞書と扇面が組み合わされた各場面を折りたたんで3冊の画帖に仕立ててあります。

下帖より、「敦盛最期の事」
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一ノ谷の戦いで、沖に逃れようとする平敦盛を扇をかざして呼び戻す
熊谷直実です。
陸と海を対比する、絵画的な場面で、能や幸若舞の「敦盛」はこれを
題材にしています。

下帖より、「那須与一」
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屋島の戦いで、扇を射落とす那須与一です。
二の矢で船から射落とされる平家の武者も描かれています。

2012年に根津美術館で開かれた「平家物語画帖 諸行無常のミニアチュール展」の記事です。

「舞の本絵巻 つきしま(築島)」(部分)  室町時代 16世紀
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平清盛が摂津国の大輪田泊に人工島の経が島を築くにあたって、
人柱を埋めたという伝説を題材にしています。
多くの人びとが人柱にしようと捕まえられ、檻に入れられている様子が
稚拙な表現で描かれています。

「舞の本断簡 <張良>」 江戸時代 17世紀
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張良は漢を建国した劉邦の軍師として活躍した人物です。
張良が橋で出会った翁の沓が川に落ちたのをを拾おうとしているところで、
川では大蛇が暴れています。
後に翁の目に叶った張良は兵法の巻物を授かるというお話です。

舞の本絵巻は幸若舞(こうわかまい)の台本を読み物とし、さらに絵を添えて
絵巻物に仕立てたものです。
幸若舞は室町から江戸時代にかけて流行した舞の芸で、源平の戦いなどを
主題にした曲が多く、特に武家に好まれました。
433丁のうち、28丁が展示されています。
織田信長が桶狭間の戦いを前にして一節を舞った「敦盛」もあります。

展覧会のHPです。

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【2023/07/30 19:45】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 根津美術館は駅から少し遠いので、暑い中を用心して行ってきました。
    題材が「物語」ですから、かなり面白い内容でした。
    この暑さが何とかならないと、展覧会に行くのも尻込みしてしまいます。

    【2023/07/31 21:02】 url[chariot #H4z1joGM] [ 編集]
  • 「物語る絵画展」、興味深い絵が沢山展示されているようで、猛暑が収まれば行ってみたいですね。

    【2023/07/30 22:31】 url[ばーばむらさき #v9aI.q/w] [ 編集]
    please comment















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