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「京都・南山城の仏像」展 東京国立博物館
上野
chariot

上野の東京国立博物館では浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念特別展
「京都・南山城の仏像」が開かれています。
会期は11月12日(日)までです。

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南山城は京都府の最南部で、奈良県に接し、両方の文化の影響を受けて、
多くの優れた仏像が伝わっています。

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展覧会では本館 特別5室に18体が展示されています。

「阿弥陀如来坐像」 平安時代 12世紀 京都・浄瑠璃寺 国宝
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浄瑠璃寺は永承2年(1047)の創建と伝えられる、現在は真言律宗の寺院です。
国宝の本堂には木造阿弥陀如来坐像9体が安置されていることから、九体寺とも
呼ばれています。
観無量寿経に説く、上品上生(じょうぼんじょうしょう)から下品下生(げぼんげしょう)まで
9つの段階の往生に応じた阿弥陀仏です。
九体阿弥陀は平安時代に盛んに造像されましたが、現存するのは浄瑠璃寺のみ
とのことです。
2018年度から2022年度までの5年をかけて修理されました。
展示されているのはそのうちの1体で、檜の寄木造り、お顔は丸く穏やかな印象で、
平安後期の定朝様の作風です。

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本堂の前は池のある浄土式庭園になっています。

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私はむかし、お寺廻りをしていた時、夏の夕立ちに遭い本堂で休んでいたら、
隣の木に雷が落ちて驚いたことがあります。

「広目天立像」 平安時代 11~12世紀 京都・浄瑠璃寺 国宝
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四天王像の一つで、等身大と大きく堂々としており、光背や踏み付けられている邪鬼も
当初のもので、彩色・截金がよく残って華やかです。
現在は東京国立博物館に寄託されています。

「多聞天立像」 平安時代 11~12世紀 京都・浄瑠璃寺 国宝
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広目天など他の3体に比べ、天衣の翻りが少ないなど技法の違いがあるので、
元は独立して作られていて、後に3体が加えられたのではないかと考えられています。
現在は京都国立博物館に寄託されています。

「地蔵菩薩立像」 平安時代・12世紀 京都・浄瑠璃寺 重要文化財
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定朝様の優しいお顔のお地蔵さまで、彩色や截金も残っています。
右手に錫杖を持たない姿から矢田寺の地蔵菩薩に近いということで、
矢田型と呼ばれています。
現在は東京国立博物館に寄託されており、この写真は総合文化展で
展示されていた時のものです。
10月11日から26日の間は展示されません。

「十一面観音菩薩立像」 平安時代 10世紀
 京都・禅定寺 重要文化財

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像高286.4㎝の巨大な像で、寄木造、穏やかな作風は造像の和様化の始まった
平安中期の特徴とのことです。
向かい合って置かれた浄瑠璃寺の阿弥陀仏と比べるとしっかりとしたお顔で、
堂々とした姿です。
禅定寺は長徳元年(995)の創建で、藤原氏の帰依を受けていました。

「千手観音菩薩立像」 平安時代 12世紀 京都・寿宝寺 重要文化財 
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千手観音は通常、42本の腕で作られますが、この像は実際に千本の腕を持つと
されています。
すべての掌に眼が描いてあり、千手千眼観音菩薩となっていて、眼病平癒の霊験が
あるとされています。
白木造の清雅な姿で、木目もよく見え、唇には朱が入っています。
寿宝寺は慶雲元年(704)の創建と伝えられる高野山真言宗の寺院です。

「十一面観音菩薩坐像」 鎌倉時代 13世紀  京都・現光寺 重要文化財
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端正な顔立ち、引き締まった胴が印象的で、慶派の特徴を表しており、坐像の
十一面観音像は極めて珍しい姿です。
これは近くの海住山寺に移り住んだ貞慶(1155-1213)が十一面観音を深く信仰し、
観音は補陀落山に住すると考えたことから坐像となったのではないかということです。
貞慶は、保元の乱で暗躍し平治の乱で討たれた信西の孫に当たります。
現光寺は真言宗智山派の寺院で、創建時は不明、現在は無住となっていて、
海住山寺が管理しています。

「阿弥陀如来立像」 鎌倉時代 嘉禄3年(1227)
 京都・極楽寺 重要文化財

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快慶の弟子、行快の作とされ、優美繊細な快慶の作風が表れています。
展示されている、像内に納められた文書には法橋行快造之と書かれ、
過去法眼快慶の文言もあって、快慶が嘉禄3年以前に亡くなっていることが
分かります。
極楽寺は城陽市にある浄土宗の寺院です。


平安から鎌倉に掛けて、貴重な仏像の揃った、仏像ファンには見逃せない
興味深い展覧会です。
南山城にこれほど多くの仏像の優品が残っているとは知りませんでした。

展覧会のHPです。

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【2023/09/30 18:31】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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