上野
東京国立博物館で開かれている特別展「やまと絵 受け継がれる王朝の美」の記事を
3回に分けたその3です。
11月7日から展示される作品を中心に載せます。
会期は12月3日(日)までです。
会期中、細かい展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認下さい。
写真の一部は過去の展覧会のものです。
序章 伝統と革新―やまと絵の革新―
「日月四季山水図屏風」 室町時代 15世紀 大阪・金剛寺 国宝
右隻

左隻

11月7日からの展示です。
右隻に金の日輪、左隻に銀の三日月を配し、山を高く盛り上げ、金銀箔を散らして
輝かせた、迫力にあふれた山水図です。
「四季花鳥図屏風」 雪舟等楊 室町時代・15世紀 京都国立博物館 重要文化財


右隻

11月7日からの展示です。
雪舟は中国画の画風を、四季の屏風という和の様式に取り入れ、新たな花鳥画を
作り上げたということです。
第1章 やまと絵の成立―平安時代ー
「法華経冊子」 平安時代 11世紀 京都国立博物館 重要文化財

11月7日からの展示です。
舶載の唐紙に法華経を書写してあり、下絵の一部に人物などが描かれています。
「倭漢朗詠抄 巻下(太田切)」 平安時代 11世紀 静嘉堂文庫美術館 国宝

11月7日からの展示です。
豪華な舶載の唐紙に日本で金銀泥で花鳥などを描き、和漢朗詠集を書いています。
掛川藩太田家に伝わった品です。
第2章 やまと絵の新様―鎌倉時代―
「伝源頼朝像」 鎌倉時代 13世紀 京都・神護寺 国宝

10月24日から11月5日までの展示です。
端正な姿で、肖像画の最高傑作とも評されています。
伝平重盛像、伝藤原光能像も共に展示されます。
近年は源頼朝ではなく、足利尊氏の弟、足利直義像ではないかとする説も有力です。
「那智瀧図」 鎌倉時代 13〜14世紀 根津美術館 国宝

11月21日からの展示です。
飛瀧神社のご神体の飛瀧権現(ひろうごんげん)としての那智の瀧です。
高々とした崖からまっすぐ流れ落ちる瀧を真白に描いています。
自然崇拝が形となった図で、仏画の来迎図ような荘厳さがあります。
「春日宮曼荼羅」 鎌倉時代 13世紀 奈良・南市町自治会蔵 重要文化財

10月24日から11月19日までの展示です。
春日宮曼荼羅は平安時代の12世紀後半から京都の藤原氏が春日社への参詣の
代わりに自邸に掛ける礼拝画として描かれるようになります。
幾何学的な図像の曼荼羅とは異なり、自然の風景を取り入れた優美な画像です。
この曼荼羅は西から東に向かう参詣路に沿って下から上がっていく構図です。
後の「春日宮曼荼羅」もこの形式で描き続けられます。
「小野雪見御幸絵巻」(部分) 鎌倉時代 13世紀 東京藝術大学 重要文化財

11月7日からの展示です。
小野皇太后(藤原歓子、1021-1102)は藤原道長の孫で、後冷泉天皇の皇后です。
小野の山荘で余生を送っていたとき、白河上皇が急に雪見を思い立って訪れます。
知らせを聞いた歓子は屋形の御簾の下に出衣(いだしぎぬ)を並べて上皇を迎えます。
出衣とは寝殿や牛車の簾の下に装束の袖や裾を少し出してその色合いを見せるもので、
上皇は歓子の雅なもてなしに感心したというお話です。
第3章 やまと絵の成熟―南北朝・室町時代―
「厩図屏風」 左隻 室町時代 15~16世紀 三の丸収蔵館


11月7日からの展示です。
6曲1双の屏風で、たくましく足掻きする馬が並んでいます。
馬をつないだ厩を描いた屏風は武家に好まれました。
「四季草花小禽図屏風」 室町~安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館

11月7日からの展示です。
金地に四季の景色や草花、小鳥を描いた優美な屏風で、狩野派の作と思われます。
「是害房絵巻」 南北朝時代 14世紀 泉屋博古館 重要文化財

11月7日からの展示で、場面替えがあります。
「今昔物語」にあるお話で、中国から来た天狗の是害房は比叡山の僧と法力競べを
して負けてしまいます。
日本の天狗たちによる賀茂河原での湯治などの介抱のおかげで回復した是害房は
送別の歌会を催してもらった後、帰って行きます。
巧みな筆さばきの絵巻で、湯を沸かして是害房を風呂に入れたりして甲斐甲斐しく
介抱する天狗たちの様子が活き活きと描かれています。
「四季花鳥図屏風」 右隻 伝土佐広周 室町時代 15世紀

11月7日からの展示です。
六曲一双の屏風で、四季の花を一つの画面に収めてあります。
第4章 宮廷絵所の系譜
「山王霊験記絵巻断簡」 伝六角寂済 室町時代・14~15世紀

11月7日からの展示です。
近江の日吉山王社の霊験譚を描いた絵巻の断簡とされていますが、
他の山王霊験記絵巻にはこれと同じ場面がありません。
作品名も作者名も箱書によるもので、別の絵巻の断簡だった可能性が
あるとのことです。
騎馬の武士や米俵を載せた馬を牽く馬借が見えます。
私はむかし、この場面を図鑑で見た覚えがあります。
終章 やまと絵と四季―受け継がれる王朝の美―
「浜松図屏風」 室町時代・15世紀 文化庁 重要文化財

11月7日からの展示です。
2曲1双で、こちらは左隻です。
一面に松の緑が広がり、右隻は春と夏、左隻は秋と冬の景色を描いています。
秋の紅葉、冬の雪山も見えます。
「吉野図屏風」 室町時代 16世紀 サントリー美術館


11月7日からの展示です。
吉野は古来、歌の名所です。
桜の花は胡粉を盛上げてあります。
展覧会のHPです。
chariot
東京国立博物館で開かれている特別展「やまと絵 受け継がれる王朝の美」の記事を
3回に分けたその3です。
11月7日から展示される作品を中心に載せます。
会期は12月3日(日)までです。
会期中、細かい展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認下さい。
写真の一部は過去の展覧会のものです。
序章 伝統と革新―やまと絵の革新―
「日月四季山水図屏風」 室町時代 15世紀 大阪・金剛寺 国宝
右隻

左隻

11月7日からの展示です。
右隻に金の日輪、左隻に銀の三日月を配し、山を高く盛り上げ、金銀箔を散らして
輝かせた、迫力にあふれた山水図です。
「四季花鳥図屏風」 雪舟等楊 室町時代・15世紀 京都国立博物館 重要文化財


右隻

11月7日からの展示です。
雪舟は中国画の画風を、四季の屏風という和の様式に取り入れ、新たな花鳥画を
作り上げたということです。
第1章 やまと絵の成立―平安時代ー
「法華経冊子」 平安時代 11世紀 京都国立博物館 重要文化財

11月7日からの展示です。
舶載の唐紙に法華経を書写してあり、下絵の一部に人物などが描かれています。
「倭漢朗詠抄 巻下(太田切)」 平安時代 11世紀 静嘉堂文庫美術館 国宝

11月7日からの展示です。
豪華な舶載の唐紙に日本で金銀泥で花鳥などを描き、和漢朗詠集を書いています。
掛川藩太田家に伝わった品です。
第2章 やまと絵の新様―鎌倉時代―
「伝源頼朝像」 鎌倉時代 13世紀 京都・神護寺 国宝

10月24日から11月5日までの展示です。
端正な姿で、肖像画の最高傑作とも評されています。
伝平重盛像、伝藤原光能像も共に展示されます。
近年は源頼朝ではなく、足利尊氏の弟、足利直義像ではないかとする説も有力です。
「那智瀧図」 鎌倉時代 13〜14世紀 根津美術館 国宝

11月21日からの展示です。
飛瀧神社のご神体の飛瀧権現(ひろうごんげん)としての那智の瀧です。
高々とした崖からまっすぐ流れ落ちる瀧を真白に描いています。
自然崇拝が形となった図で、仏画の来迎図ような荘厳さがあります。
「春日宮曼荼羅」 鎌倉時代 13世紀 奈良・南市町自治会蔵 重要文化財

10月24日から11月19日までの展示です。
春日宮曼荼羅は平安時代の12世紀後半から京都の藤原氏が春日社への参詣の
代わりに自邸に掛ける礼拝画として描かれるようになります。
幾何学的な図像の曼荼羅とは異なり、自然の風景を取り入れた優美な画像です。
この曼荼羅は西から東に向かう参詣路に沿って下から上がっていく構図です。
後の「春日宮曼荼羅」もこの形式で描き続けられます。
「小野雪見御幸絵巻」(部分) 鎌倉時代 13世紀 東京藝術大学 重要文化財

11月7日からの展示です。
小野皇太后(藤原歓子、1021-1102)は藤原道長の孫で、後冷泉天皇の皇后です。
小野の山荘で余生を送っていたとき、白河上皇が急に雪見を思い立って訪れます。
知らせを聞いた歓子は屋形の御簾の下に出衣(いだしぎぬ)を並べて上皇を迎えます。
出衣とは寝殿や牛車の簾の下に装束の袖や裾を少し出してその色合いを見せるもので、
上皇は歓子の雅なもてなしに感心したというお話です。
第3章 やまと絵の成熟―南北朝・室町時代―
「厩図屏風」 左隻 室町時代 15~16世紀 三の丸収蔵館


11月7日からの展示です。
6曲1双の屏風で、たくましく足掻きする馬が並んでいます。
馬をつないだ厩を描いた屏風は武家に好まれました。
「四季草花小禽図屏風」 室町~安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館

11月7日からの展示です。
金地に四季の景色や草花、小鳥を描いた優美な屏風で、狩野派の作と思われます。
「是害房絵巻」 南北朝時代 14世紀 泉屋博古館 重要文化財

11月7日からの展示で、場面替えがあります。
「今昔物語」にあるお話で、中国から来た天狗の是害房は比叡山の僧と法力競べを
して負けてしまいます。
日本の天狗たちによる賀茂河原での湯治などの介抱のおかげで回復した是害房は
送別の歌会を催してもらった後、帰って行きます。
巧みな筆さばきの絵巻で、湯を沸かして是害房を風呂に入れたりして甲斐甲斐しく
介抱する天狗たちの様子が活き活きと描かれています。
「四季花鳥図屏風」 右隻 伝土佐広周 室町時代 15世紀

11月7日からの展示です。
六曲一双の屏風で、四季の花を一つの画面に収めてあります。
第4章 宮廷絵所の系譜
「山王霊験記絵巻断簡」 伝六角寂済 室町時代・14~15世紀

11月7日からの展示です。
近江の日吉山王社の霊験譚を描いた絵巻の断簡とされていますが、
他の山王霊験記絵巻にはこれと同じ場面がありません。
作品名も作者名も箱書によるもので、別の絵巻の断簡だった可能性が
あるとのことです。
騎馬の武士や米俵を載せた馬を牽く馬借が見えます。
私はむかし、この場面を図鑑で見た覚えがあります。
終章 やまと絵と四季―受け継がれる王朝の美―
「浜松図屏風」 室町時代・15世紀 文化庁 重要文化財

11月7日からの展示です。
2曲1双で、こちらは左隻です。
一面に松の緑が広がり、右隻は春と夏、左隻は秋と冬の景色を描いています。
秋の紅葉、冬の雪山も見えます。
「吉野図屏風」 室町時代 16世紀 サントリー美術館


11月7日からの展示です。
吉野は古来、歌の名所です。
桜の花は胡粉を盛上げてあります。
展覧会のHPです。
- 関連記事
-
- 「小野月世 水彩画展」と 「お文具の原画展」 丸善丸の内本店 (2023/10/20)
- 「コスチュームジュエリー 展」 パナソニック汐留美術館 (2023/10/19)
- 「やまと絵 受け継がれる王朝の美」展 東京国立博物館 その3 (2023/10/17)
- 「やまと絵 受け継がれる王朝の美」 東京国立博物館 その2 (2023/10/15)
- 「やまと絵 受け継がれる王朝の美」 東京国立博物館 その1 (2023/10/14)