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「池大雅─陽光の山水」展 出光美術館
日比谷・有楽町
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日比谷の出光美術館では、生誕300年記念「池大雅─陽光の山水」展が開かれています。
会期は3月24日(日)までです。

池大雅img236 (1)

日本の文人画の代表者、池大雅(1723-1776)を特集した展覧会です。
その作品は明るく、楽天的な雰囲気に包まれているのが特徴です。

「柳下童子図屏風」 池大雅 江戸時代 京都府蔵 重要文化財
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3月3日までの展示です。
展示室の最初に置かれています。
川に渡した木橋で童子が二人、川をのぞき込んでエビを取ろうとしています。
水面に木の影が映り、メダカも泳ぎ、まことに穏やかな、素敵な情景です。
「擬如拙道人筆」と記されており、如拙の「瓢鯰図」を基にしているのかもしれません。
そうして観ると、二人の童子は瓢箪にも見えます。

「瓢鯰図」 池大雅 賛:大典顕常 江戸時代
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つるつるしたヒョウタンでぬるぬるしたナマズを捕まえるにはどうするかという、
禅問答を絵にしています。
如拙の有名な「瓢鯰図」に倣っていますが、坊主頭の僧が大きな丸いヒョウタンで
ナマズの丸い頭を押さえ付けています。
鼻まで団子鼻で、観ているだけでおかしくなります。
賛を書いた大典顕常は相国寺の僧です。

「山邨千馬図」 池大雅 江戸時代 出光美術館
文人002

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文人003

酔っ払った友達に千頭の馬の絵を描いてくれとせがまれて、仕方なく描いた絵
とのことです。
村の馬市の様子で、画面いっぱいに馬がひしめき合い、建物の中にも馬が居ます。
文人画の好む閑寂な世界とはほど遠いですが、湧き立つような楽しさがあります。
川端康成が所持していました。

「楼閣山水図屏風」 池大雅 江戸時代・18世紀 東京国立博物館 国宝
右隻
池大雅img245 (5)

左隻
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2月25日までの展示です。
金地屏風に描かれた、展示されている中でもひと際豪華な作品です。
右隻に湖南省の洞庭湖を望む岳陽楼を、左隻に安徽省琅琊山(ろうやさん)の
酔翁亭を描いています。
池大雅らしい伸びやかな風景画で、人物の衣服を青や赤に塗ってアクセントを
付けています。
北宋の范仲淹は岳陽楼記を書き、その中には先憂後楽の語句があります。
范仲淹の同志だった欧陽脩は左遷された時に酔翁亭記を遺しています。
一橋徳川家の旧蔵です。

「餘杭幽勝図屏風」 池大雅 江戸時代
右隻
池大雅img245 (2)

左隻
池大雅img245 (3)

元の詩人、薩都剌(さっとら)の、杭州の西湖を謳った詩に拠っています。
全体に薄く金泥を刷き、西湖の景色をのびのびと描いています。
薩都剌は西域のイスラム教徒の家の出身ですが、進士に合格し、地方官を務めています。

「瀟湘勝概図屏風」 池大雅 江戸時代 重要文化財
池大雅img245 (1)

瀟湘八景で有名な湖南省の瀟湘を描いていますが、通常の瀟湘八景の絵とは異なり、
極めて明るく大らかな画面です。
仲介者への書状でも、明るい画面になじまない暗い色の表装裂を用いないようにと
注意しています。
なお、画料は1両とのことで、途方もない安さです。
池大雅は金銭にはまったく無頓着な人だったそうです。

「十二ヵ月離合山水図屏風」 六曲一双 池大雅
 明和6年(1769)頃 出光美術館 重要文化財

右隻
池大雅img236 (5)

左隻
池大雅img236 (6)

離合山水図は一幅でも山水図になっており、並べてもまとまった絵画にもなると
いうものです。
「十二ヵ月離合山水図屏風」は右隻から左隻にかけて、春から冬への移り変わりを
描いています。
木々の緑は緑色の点々で表していて、明るく輝いて見えます。
スーラより100年以上早い点描法で、スーラよりのびやかです。

「寿老・四季山水図」 池大雅 宝暦11年(1761) 出光美術館
対img260 (4)

中央に福禄寿、左右に四季山水を配置しています。
5幅あるので、いろいろな組合せで楽しむことができます。
福禄寿の杖は「寿」の字になっています。

「十便図」の内「釣便」 池大雅 1771(明和8)年 川端康成記念会 国宝
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「十便十宜」は清の劇作家、李漁が自身の別荘、伊園での暮らしを謳った
「十便十二宜詩」の内、伝わっている十便十宜のことです。
池大雅49歳、与謝蕪村56歳の時の合作で、十便(十の便利なこと)を大雅が描き
、十宜(十の宜いこと)を蕪村が描き、ともに国宝に指定されています。
川端康成はこの作品に感動し、新潮社の発行した川端康成全集の印税で購入しています。
「十便十宜図」は細かい展示替えがあり、2月14日までは「耕便・宜春」が展示されています。
「釣便」は2月20日から22日までの展示です。

「浅間山真景図」 池大雅 江戸時代
池大雅img236 (9)

池大雅は全国を歩き、各地を写生して、写実的な作品も描いています。
38歳の時、友人と3人で白山・立山・富士山を巡っており、その時の写生を
基にしていると思われます。
小さな人家や遠くに消えてゆく川の流れも描き込まれています。

「五君咏図」より「阮咸」 池大雅 江戸時代
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阮咸(げん かん)は魏から西晋時代の人、竹林の七賢人の一人で、琵琶を
よく奏していたとされています。

池大雅はまことに気分の良い絵を描く人で、作品を観ていくとこちらの気分も
晴れ晴れとしてきます。

展覧会のHPです。

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【2024/02/13 19:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 池大雅の絵はどれも気分良く描かれていて、それも技なのでしょう。

    【2024/02/16 21:31】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 一杯ひっかけながら
  • 本当のところは知りませんが、ほろ酔い気分で描いた感じですね。

    【2024/02/16 07:47】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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