fc2ブログ
「魅惑の朝鮮陶磁」「謎解き奥高麗茶碗」展 根津美術館
表参道
chariot

南青山の根津美術館では企画展、「魅惑の朝鮮陶磁」と特別企画、「謎解き奥高麗茶碗」が
開かれています。
会期は3月26日(火)までです。

高麗img254 (1)


展示室1は企画展、「魅惑の朝鮮陶磁」です。

「青磁蓮華唐草文浄瓶」 朝鮮・高麗時代 12世紀 根津美術館 重要文化財
高麗img254 (2)

僧が浄水を入れる金属製の器をかたどっています。
胴の全面に蓮華唐草文が彫り込まれています。
高麗時代は青磁が好まれました。

「粉青牡丹文厨子」 朝鮮・朝鮮時代 15世紀 根津美術館
高麗img254 (3)

仏像などを納める逗子で、白土を扉などに象嵌して、牡丹の模様を表しています。
扉を開閉する留め具を付ける穴が開いており、扉の右側には「金老古寺」と書いてあります。
粉青は鉄分の多い土に白の化粧土を掛け、透明釉を施した磁器ですが、
16世紀に消滅しています。

「辰砂葡萄文壺」 朝鮮・朝鮮時代 18世紀 根津美術館
高麗img254 (4)

白磁の壺に辰砂で吉祥文の葡萄を描いています。
大きく破損していたのを元の形に復元したとのことで、割れた跡がかすかに見えます。
儒教を重んじた李朝朝鮮では簡素な白色を好んだので、白磁が主流になりました。

「三島茶碗 銘 上田暦手」 朝鮮時代 16世紀 根津美術館
地蔵img781 (10)

三島茶碗は朝鮮に注文して作られた茶碗で、線や花模様を彫った象嵌の
技法が使われています。
細かい模様が伊豆の三嶋大社の配布していた三島暦に似ていることから
この名があります。

「御本立鶴茶碗」 朝鮮・朝鮮時代 17世紀 根津美術館
高麗img254 (5)

御本茶碗は日本の注文で朝鮮で焼かれた茶碗をいいます。
細川三斎(忠興)の喜寿の祝うため、小堀遠州が指導して、徳川家光の描いた
立鶴の絵を下絵にして線を型押しし、白と黒の象嵌を施してあります。
十数点が現存しています。

「青井戸茶碗 銘 柴田」 朝鮮時代  16世紀 根津美術館  重要文化財
井004

井戸茶碗は朝鮮時代の日常雑器で、日本の茶人が茶器に見立てたものです。
青井戸茶碗は釉が青色がかったものを云いますが、実際には青色に限らず、
色に変化があります。
織田信長から柴田勝家が拝領したとされることから、この名があります。
胴が真直ぐにすぼまり、強くろくろ目の出ている、くっきりした姿で、
上の方がやや青みがかっていて、全体に明るい印象の茶碗です。


展示室2は特別企画、「謎解き奥高麗茶碗」です。

奥高麗とは古唐津の一種で、高麗茶碗に近い風格を備えている品をいいます。
古唐津は桃山時代に北九州各地で朝鮮の陶工によって始められた陶器で、
唐津の港から出荷されたので、この名があります。

「奥高麗茶碗 銘 二見」 桃山~江戸時代 16~17世紀 個人蔵
高麗img254 (7)

大振りの茶碗で、上の方に白い釉が掛かり、見込みに細かい釉のひびが入っています。

「奥高麗茶碗 銘 福寿草」 江戸時代 17世紀 根津美術館
高麗img254 (9)

つるりとした感じで、釉の掛け具合の面白い茶碗です。

「奥高麗茶碗 銘 深山路」 江戸時代 17世紀 個人蔵
三井003

大らかな形で、高台は大きく、ざっくり掛けた釉薬の掛け残しが面白い形を
つくっています。
小石を混ぜて作り、焼成過程で飛び散ってできる石はぜや、木片などを
混ぜて焼いてできる巣穴もあります。
石はぜや巣穴の技法は完成期の奥高麗の特徴とのことです。
茶人大名、松平不昧の所持でした。

「奥高麗茶碗 銘 三宝」 江戸時代 17世紀
 和泉市立久保惣記念美術館 重要文化財

高麗img254 (6)

高台は低く、口縁にかけて広がり、釉は上下で色が異なり、石はぜも見えます。
見込みには重ね焼きの時に出来る目跡が5つあります。


展示室5は旧竹田宮家寄贈のお雛様と「百椿図」の展示です。

高麗img265 (1)

明治天皇皇后両陛下から竹田宮家に嫁がれた第6皇女常宮昌子内親王に
贈られた雛人形一対と雛道具が飾られています。
雛道具には皇室の紋章である十六八重表菊が蒔絵で施されています。


「百椿図」は播磨国明石藩藩主との松平忠国(1597~1659)の注文により
狩野山楽が描いたとされ、忠国と子の信之(1631-86)の2代にわたって、
それぞれの花に著名人に漢詩や和歌の賛を書いてもらった2巻の巻物です。
毎年、年明けの展覧会で展示されます。

高麗img265 (3)

2011年の「百椿図」の記事です。


展示室6の展示は「春の茶の湯―釣り釜―」です。
暖かい春に好まれる、天井から吊るす「釣り釜」などの展示です。
春には炉を深く掘り、火気で室内の温度が高くなるのを防ぎ、
釣り釜で釜の高さを調節します。
釜の揺れる様も趣きとのことです。

「雲龍釡」 京都  江戸時代 17世紀
高麗img265 (2)

雲龍釡は細い円筒形の釜に龍を鋳出したものをいいます。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展「国宝・燕子花図屏風 デザインの日本美術」です。
会期は4月13日(土)から5月12日(日)までです。

img271.jpg

関連記事

【2024/02/15 19:17】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
  • こんばんは。
  • 茶人や民芸運動が日用雑器に美を見出すという、ある意味物好きな感性は日本の特徴かもしれません。
    それと、朝鮮戦争で南から北まで戦場になったので、伝統の継承も難しかったと思います。

    【2024/02/16 21:33】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 折角あったのに
  • 折角誇れるだけの技術があったのに、今に伝わらない、伝えない、彼の国の残念さが際立つ逸品です。

    【2024/02/16 07:45】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















    管理者にだけ表示を許可する

    trackback
    trackback url ↓
    https://nekoarena.blog.fc2.com/tb.php/5148-391a6db6

    プロフィール

    chariot

    Author:chariot
    美術館・博物館めぐりとカフェの記事を書いています。

    最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

    カテゴリー

    ブログ内検索

    月別アーカイブ

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    RSSフィード


    | ホーム |