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目黒区美術館 ベルナール・ビュフェ展
目黒
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目黒区美術館では4月11日まで、「ベルナール・ビュフェ展」が開かれています。

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ベルナール・ビュフェ(1928~1999)の1940年代から1950年代にかけての
初期の油彩画約50点を中心にした展示です。

1945、46年の、ごく初期の作品数点も展示されていますが、まだビュフェの
画風ではありません。
それが、1947年の「アトリエ」になると、ひと目でビュフェと分かる画風に
なっていますから、20歳前には自分のスタイルを確立したことになります。
この頃にはすでに有名になっていたとのことですから、早熟の天才といえます。
ビュフェの作品は、一見、クールという印象ですが、第二次世界大戦直後の
不安、孤独が、特に初期の絵には濃く表れているとのことです。

「アトリエ」 1947年

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色数も少なく、冷えた感じの室内で、窓の外には曇り空の下の街が見えます。
煙突や窓枠の線など、構図は明確です。

この絵では自画像と思われる画家はまだ若い顔をしていますが、このすぐ後の
自画像からは額にも頬にもしわが入って、疲れた顔になってしまいます。


「化粧する女」 1947年

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ビュフェの絵の女性は、やせているか、太っているかです。
鏡に映っている顔も見えず、女性は形として描かれています。
その分、太い線で構成された画面に緊張感があります。


「キリストの十字架からの降架」 1948年

大きな作品で、磔になった男の死体を二人の男が運んで行き、老女と男が
肩を寄せ合って嘆いています。
もう一つの磔台には男が縛られたままです。
男の子と父親がその様子を見ています。
地面には大きな釘抜きと三本の釘が転がり、水指とボウルも置かれています。
伝統的なキリスト教絵画の一場面ですが、人物は現代の服装をしています。
水指とボウルは、聖書の記述にある、この処刑に自分は関知しないと言って、
群衆の前で手を洗ったローマ総督ポンテオ・ピラトを表しているのでしょうか。
劇的な表現は無く、淡々とした描写なだけに、場面の悲劇性が強く伝わります。


「肉屋の少年」 1949年

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吊るされた牛の肉といえば、レンブラントも光に照らされた肉塊の存在感を
描いています。
こちらは、冷え冷えとした物として存在しています。
その虚しさのようなものが、隣に立つ人物にも映っています。


「二羽のひな鶏」 1948年
「兎」 1948年


毛をむしられ、皮を剥かれた鶏や兎の横にナイフが置かれています。
容赦の無い描き方の中に哀しみがあります。


「パンと皿のある静物」 1949年

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上から見たテーブルの縁と格子縞に対して、テーブルクロスや皿を斜めから
見た構図です。
フォークも枯れ枝のように細く、都会的な孤独感があります。


「風景」 1951年

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人影も無い、荒涼とした風景です。
画像では明るく観えますが、実際には灰色がかって、寒々としています。
初期の作品からは、風景画に限らず、明るい太陽の光を感じることはありません。
構図は堅牢で、寒々しい景色にかえって魅力があります。


「ボアを纏った仮装者」 1951年
「ピエロ」 1955年
「サーカス」 1955年


大きな画面で、3点一緒に展示されています。
どれも明るい色彩が入っていますが、かえって寂寥感が増します。

ビュフェは、初期に確立したスタイルをその後も変えていないので、
何を描いてもビュフェ風というところがありますが、今回展示されている
初期の作品には、乾いた孤独感、寂寥感が際立って表れています。

「木を植えた男」の作者のジャン・オノの著書のためにビュフェが制作した
版画も展示されています。


同時開催で、『「藤田嗣治-東京・ニューヨーク・パリ」所蔵作品を中心に』も
開催されています。

おなじみの、裸婦像、自画像、猫の絵などと共に、初期のモディリアニ風の
人物画も1点、展示されています。

戦後、滞在していたニューヨークから、日本に居るGHQの関係者に送った絵手紙は
ユーモアたっぷりで、中学生時代の自筆絵葉書も実に上手く、藤田嗣治の
器用さが窺えます。


美術館のHPです。

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【2010/02/18 00:00】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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