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「手塚雄二 一瞬と永遠のはざまで」展 そごう美術館
横浜
chariot

そごう横浜店のそごう美術館では「手塚雄二 一瞬と永遠のはざまで」展が
開かれています。
会期は11月28日までです。

手001


手塚雄二さん(1953~)は院展同人の日本画家で、深みのある抑えた色彩で
奥行きのある静謐な作品を描いています。
どの絵も平家納経の経典見返しの絵のような古寂びた味わいを持っています。

今回は大作約40点を中心に、小品とデッサンを合わせて、約80点の展示です。

作品は以下の5つのグループに分けて展示されています。

寂-孤独な空気
雅-伝統への挑戦
塊-無生物との対話
謐-音の無い世界で
燦-光の中で

『寂-孤独な空気』

「気」 1984年
手002

暗褐色を使って鋭い筆遣いで描かれた二頭のライオンは、野生の持つ気迫を
見せています。

「寂響」 1998年
手005

駐車場で見かけた一羽のカラスから想を得たとのことです。
広い空間の中の小さな姿です。
手塚さんは、盛りの花や晴天の風景ではなく、枯れ寂びたものや景色を
じっくりと描いています。

『雅-伝統への挑戦 』

「雷神雷雲」 1999年
「風雲風神」 2000年
八曲一双の屏風の左隻に風神、右隻に雷神です。
間を稲妻が走り、金銀箔も飛び散っています。
俵屋宗達の「風神雷神」とは左右が逆にしてあります。

『塊-無生物との対話』

「ブルックリンの雨」 2010年
手006

ニューヨークのブルックリン橋です。
やや傾いた吊橋のワイヤーと雨の線が、見上げるような高さと眩惑感を
表しています。

『謐-音の無い世界で』

「麗糸」 1999年
手008

蜘蛛の糸に絡まる枯葉は葉脈まで輝いています。
何気ない景色の中に、時と空間と命を表しています。

「蔦模様」 2010年
手007

古びた趣きの銀箔地に伸びた蔦の蔓が印象的です。

『燦-光の中で』

「晩夏」
手009

重なり合って生い茂る葉の間を蜂が飛び交っています。

「きらめきの森」 2005年
手004

森の木々に黄金の雨の降っているような装飾的な空間です。

手塚さんは絵具を塗っては洗い流し、何度も塗り重ねて繊維に色彩を染み込ませて、
深い色合いを出しているとのことです。
塗りを重ねた部分は盛り上がっているので、観る角度によって光の反射の具合で
絵の調子も変わって見えます。
特に金や銀を使った作品は大きく変わるので、屈んで見上げる形でも観られると
良いでしょう。

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【2010/11/22 07:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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