京橋
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京橋のINAX:GINZA2階のギャラリー1では2011年2月19日(土)まで、
「幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷 展」が開かれています。
場所は中央区京橋 3-6-18 です。
日祝日は休館です。
1階は建築関係の書店になっています。



松浦武四郎の出身地である松阪市の松浦武四郎記念館の所蔵品を中心にした
展示です。
松浦武四郎(1818~1888)は幕末から明治にかけて全国を歩き、九州からカラフト
(サハリン)まで踏破しています。
特に蝦夷地(今の北海道)を何度も探検し、「北海道」の名付け親として
知られています。
アイヌを指すとされるカイという言葉から、アイヌ民族の暮らす土地という意味の
「北加伊道」という名称を考案したことに始まっているとのことです。
アイヌの人と文化に深い愛情を持ち、一時勤めていた開拓使とアイヌ政策を巡って
対立したため、辞職したりもしています。
ギャラリーには松浦武四郎の作成した北海道の地図や、探検の記録をまとめた
出版物などが展示されています。
「一畳敷」とは、晩年の武四郎が住んでいた神田五軒町(今の外神田六丁目)の家に
作った離れの名です。
全国の人々との交流の思い出として、各地の知人に頼んで神社仏閣などの古材を
送ってもらい、一畳ほどの広さの書斎を建てています。
現在は三鷹市の国際基督教大学の敷地内にあります。
伊勢神宮、出雲大社、熊野本宮、厳島神社、北野天満宮、建仁寺、東福寺、高台寺、
渡月橋、法隆寺など、91点も集まっていて、武四郎の交友の幅広さが偲ばれます。
武四郎は集まった古材の由来を記した、「木片勧進」を出版しているので一度
読んでみたいものです。
ギャラリーには畳と写真を使って、その「一畳敷」が再現されています。

本当に小さく、書斎というより雪隠といった大きさですが、ちゃんと床の間も
付いています。
武四郎は150cmに満たない小柄な人だったとのことで、この広さでも何とか
なったようです。
河鍋暁斎が武四郎の注文で描いた、釈迦涅槃図を模した「北海道人樹下午睡図」の
写真も展示されています。
「北海道人樹下午睡図」は松浦武四郎記念館の所蔵です。
武四郎を釈迦に見立てた涅槃図ですが、武四郎が趣味で集めた絵や骨董品も
描き込まれています。
武四郎は何か買ってきては、これも描き加えろと注文して暁斎を困らせたそうです。
規模は小さいですが、松浦武四郎の業績と人柄を知ることの出来る展覧会です。
松浦武四郎記念館のHPです。
展覧会のHPです。
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