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特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」
上野
chariot

上野の東京国立博物館平成館で開かれている、文化財保護法制定60周年記念、
特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」に行ってきました。
会期は3月6日(日)までです。

平001


2009年に亡くなった日本画家、平山郁夫は文化遺産の保護にも尽していました。
その活動を顕彰し、文化財保護の重要性や課題を伝えることを趣旨とする
展覧会です。

平山郁夫の作品とともに、仏教の伝来したアジア各地の仏像や壁画、工芸品が
展示されています。
2001年にタリバンによって破壊されたバーミヤン石窟の壁画の断片もあります。

「天堂苑樹」 1966年
平004

1957年の「仏教伝来」に始まる仏伝シリーズの最後の作品です。
四曲一隻の屏風に、森の中で釈迦が立って菩薩たちに説法するさまを描いています。
金色の諸仏は緑の木々の中に浮かび、左下にうずくまる白象と遠くの赤いインドの
大地が色を添えています。

「敦煌鳴沙」 1985年
平005

四曲一隻の屏風で、敦煌莫高窟を描いています。
平山郁夫特有の大きな景色です。

「敦煌三危」 1985年
「敦煌鳴沙」の左側に続く景色を同じ四曲一隻の屏風に描いています。

「バーミヤン大石仏を偲ぶ」 2001年
平002

かつて訪れたアフガニスタンのバーミヤン大石仏がタリバンによって
爆破されたと知って、急いで描き上げた作品とのことです。

「破壊されたバーミヤン大石仏」 2003年
瓦礫となってしまった大石仏を同じ構図で描いています。
爆破の瞬間の、吹き上がる爆煙に石仏全体が包まれる映像は衝撃的でした。


2000年に完成した「大唐西域壁画」の全7場面も展示されています。
1991年に奈良の薬師寺に建立された玄奘三蔵院に納められた壁画で、20年以上を
かけて制作されたとのことです。
薬師寺は法相宗のお寺ですが、法相宗は玄奘がインドから伝えた論に始まると
されています。
「大唐西域壁画」という題は玄奘の著した「大唐西域記」に依っています。
7つの場面は朝から夕方にかけての一日の景色として展開されます。

第1画面 「明けゆく長安大雁塔・中国」
パンフレットに使われている作品です。
大雁塔は玄奘の出発した頃にはまだ無かったのですが、門出にふさわしい
場面として選ばれたとのことです。

第2画面 「嘉峪関を行く・中国」
嘉峪関はシルクロードの西の要衝にあり、明時代に建設されているので、
玄奘の時代にはありませんでした。

第3画面 「高昌故城・中国」
玄奘はインドへの旅の途中で高昌国の国王から歓待されますが、インドから
帰る時には高昌国は既に唐に滅ぼされていました。

第4画面 「西方浄土須弥山」
平003

平006

平山郁夫は世界の中心にある須弥山としてエヴェレストを選び、現地に取材
しています。

第5画面 「バーミヤン石窟・アフガニスタン」
バーミヤン石窟の遠景を描いています。
この作品を描いた頃はバーミヤン大石仏はまだ破壊されていません。

第6画面 「デカン高原の夕べ・インド」
夕日を浴びた赤茶けたデカン高原を描いています。

第7画面 「ナーランダの月・インド」
玄奘がインドで滞在した学校の跡に月が出ています。


仏教関係の展示物はガンダーラに始まり、バーミヤン、中国西域、西安、
アンコールワットと続いています。
ガンダーラでは鼻筋の通った西方の顔立ちだった仏が、東に移るにつれ
徐々に変化して行き、中国では中国の顔になっています。
ヘラクレスが起源とされる執金剛神も初めは髭面で棍棒を持ち、いかにも
ヘラクレスらしい姿をしています。
仏教文化が伝播の過程で変容していく様がよく分かります。

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【2011/02/05 05:43】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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