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小企画展「アウトサイダーズ」 国立西洋美術館
上野
chariot

上野の国立西洋美術館では版画素描展示室で小企画展「アウトサイダーズ」が
開かれています。
期間は2月13日(日)までです。

常設展の観覧券で観ることが出来ます。
写真撮影も可能です。

アウト0131


西洋美術館の所蔵する、西洋人の目から見た「よそ者たち(アウトサイダーズ)」を
描いた版画の展示です。

17世紀のジャック・カロと19世紀のオノレ・ドーミエの作品が中心で、この時代は
西洋の新大陸や東洋への進出による「よそ者たち」の発見や社会のヒエラルキーの
確立による内部の「よそ者」の顕在化があったとのことです。

ジャック・カロ 「乞食」 エッチング 1622‐23年頃
カロ001

連作の1つです。
連作では芸人やさまざまな人たちが描かれています。

ジャック・カロ 「ジプシー達の行進:しんがり」 
 エッチング、エングレーヴィング

アウト0153

連作の1つです。
ジプシーも蔑視されるとともに、特有の文化を持つ者として好奇の目でも
見られています。

ジャック・カロ 「小さな道化たち」 エッチング、エングレーヴィング
アウト0148

連作の1つです。
道化師はヨーロッパの宮廷に雇われて、人々を笑わせていました。
フィレンツェのメディチ家の宮廷で見た人たちの印象をもとにしているとの
ことです。

ステーファノ・デッラ・ベッラ 「カルロ・カントゥ」 
 エッチング、エングレーヴィング 1646年

アウト0136

怪異な顔をしてギターのような楽器を弾いています。
「カルロ・カントゥ」は即興仮面劇のコメディア・デラルテの役者とのことです。
演劇と「アウトサイダーズ」は関係の深いことが分かります。

オノレ・ドーミエ 「できごと:(100)」 リトグラフ 1859年
アウト0142

連作の1つです。
フランス人たちが植民地のアルジェリアの兵士をからかっています。
兵士は当惑した笑い顔を見せています。
ドーミエの版画には文章が付いていて、展覧会のHPには作品ごとにその文章も
載っています。

オノレ・ドーミエ 「中国を旅すれば:(15)喫煙派と嗅ぎ煙草派」 
 リトグラフ 1844年

アウト0144

連作の1つです。
煙草漬けになっている中国人たちです。
連作では、中国への蔑視と偏見が色濃く現われています。

いつの時代でも、少数者、弱者、文化の異なる者は「アウトサイダーズ」として
蔑視と好奇心の対象になるものだなと思います。

展覧会のHPです。

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【2011/02/03 05:34】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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