日比谷・有楽町
日比谷の出光美術館では、「酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から
江戸琳派―」展の第2部<転生する美の世界>が開かれています。
酒井抱一と鈴木其一の作品を中心にした江戸琳派の特集で、会期は3月21日(月)
までです。

「風神雷神図屏風」 酒井抱一 二曲一双
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を尾形光琳が模写し、さらに酒井抱一が
模写しています。
琳派の継承の流れを伝える作品です。
「八ツ橋図屏風」 酒井抱一 六曲一双

右隻(部分)です。
尾形光琳の「八橋図屏風」を写したものですが、燕子花の数を少なくして
すっきりとまとめられています。
紙ではなく絹地に金箔を貼り、さらに金泥を塗ってより輝くようにしている
とのことです。
こちらは尾形光琳の「八橋図屏風」の右隻です。

メトロポリタン美術館所蔵の尾形光琳の「八橋図屏風」は、根津美術館で
開かれる予定の「KORIN展」で、同館所蔵の「燕子花図屏風」とともに展示
されるとのことです。
会期は4月16日(土)から5月15日(月)までです。
「紅白梅図屏風」 酒井抱一 六曲一双

左隻(部分)で、右隻には紅梅が描かれています。
たらし込みを使った枝は伸びやかです。
元は金地屏風の裏側だったらしく、屏風を折りたたんだ時に裏の面同士の
当たる場所に紅梅の顔料が付着しているのが分かります。
酒井抱一は金地屏風の裏に使われる銀地の画面を好んでいたようです。
「燕子花図屏風」 酒井抱一 享和元年(1801年) 二曲一隻
二曲の無地の画面に水墨と群青の燕子花が弧を描くように並べられています。
葉にはたらし込みが使われ、金泥も混じっています。
枯れた葉もあり、蜻蛉が一匹とまっていて、繊細で叙情的な風景です。
「四季花木図屏風」 鈴木其一 六曲一双

右隻(部分)で、白牡丹を囲むように紅白梅、蒲公英、菫、燕子花が
描かれています。
左隻に描かれているのは楓、白菊、桔梗、水仙、薮柑子です。
鈴木其一は酒井抱一の弟子ですが、師の洗練された装飾性を更に進めて、
近代的とも言える作品を造り上げています。
「芒野図屏風」 鈴木其一 二曲一隻
銀地に一面すすきの穂が水墨で描かれていますが、風に揺れる風情ではなく、
整然と真っ直ぐ立っています。
霧の流れるようなぼかしも入っていて、画面に柔らかさを感じさせています。
すっきりとして、とてもデザイン性の高い作品です。
酒井抱一の「燕子花図屏風」と比べると二人の作風の違いが分かります。
「三十六歌仙図」 鈴木其一 弘化2年(1845年)

尾形光琳の描いた図柄を元にしています。
掛軸ですが、表装の扇面流しや錦の模様も鈴木其一が描いています。
軸も螺鈿を使っていて豪華です。
描かれているのは35人で1人足りないのは高貴な身分の斎宮女御(徽子女王)を
御簾によって暗示しているためとのことです。
右側の矢を背負った武官の装いの美男子は在原業平でしょう。

画面下の横向きの老人は柿本人麻呂でしょうか。
わいわいと賑やかで、皆楽しそうです。

尾形乾山の作品もかなり第1部と展示替えになっています。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一と観てくると、流れは近代日本画にまで
つながっていることを感じます。
私の行った2月13日は第2部が始まって最初の日曜日でしたが、開館時間直後から
どんどんお客さんが増え、人気の高い展覧会であることが分かります。
展覧会のHPです。
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日比谷の出光美術館では、「酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から
江戸琳派―」展の第2部<転生する美の世界>が開かれています。
酒井抱一と鈴木其一の作品を中心にした江戸琳派の特集で、会期は3月21日(月)
までです。

「風神雷神図屏風」 酒井抱一 二曲一双
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を尾形光琳が模写し、さらに酒井抱一が
模写しています。
琳派の継承の流れを伝える作品です。
「八ツ橋図屏風」 酒井抱一 六曲一双

右隻(部分)です。
尾形光琳の「八橋図屏風」を写したものですが、燕子花の数を少なくして
すっきりとまとめられています。
紙ではなく絹地に金箔を貼り、さらに金泥を塗ってより輝くようにしている
とのことです。
こちらは尾形光琳の「八橋図屏風」の右隻です。

メトロポリタン美術館所蔵の尾形光琳の「八橋図屏風」は、根津美術館で
開かれる予定の「KORIN展」で、同館所蔵の「燕子花図屏風」とともに展示
されるとのことです。
会期は4月16日(土)から5月15日(月)までです。
「紅白梅図屏風」 酒井抱一 六曲一双

左隻(部分)で、右隻には紅梅が描かれています。
たらし込みを使った枝は伸びやかです。
元は金地屏風の裏側だったらしく、屏風を折りたたんだ時に裏の面同士の
当たる場所に紅梅の顔料が付着しているのが分かります。
酒井抱一は金地屏風の裏に使われる銀地の画面を好んでいたようです。
「燕子花図屏風」 酒井抱一 享和元年(1801年) 二曲一隻
二曲の無地の画面に水墨と群青の燕子花が弧を描くように並べられています。
葉にはたらし込みが使われ、金泥も混じっています。
枯れた葉もあり、蜻蛉が一匹とまっていて、繊細で叙情的な風景です。
「四季花木図屏風」 鈴木其一 六曲一双

右隻(部分)で、白牡丹を囲むように紅白梅、蒲公英、菫、燕子花が
描かれています。
左隻に描かれているのは楓、白菊、桔梗、水仙、薮柑子です。
鈴木其一は酒井抱一の弟子ですが、師の洗練された装飾性を更に進めて、
近代的とも言える作品を造り上げています。
「芒野図屏風」 鈴木其一 二曲一隻
銀地に一面すすきの穂が水墨で描かれていますが、風に揺れる風情ではなく、
整然と真っ直ぐ立っています。
霧の流れるようなぼかしも入っていて、画面に柔らかさを感じさせています。
すっきりとして、とてもデザイン性の高い作品です。
酒井抱一の「燕子花図屏風」と比べると二人の作風の違いが分かります。
「三十六歌仙図」 鈴木其一 弘化2年(1845年)

尾形光琳の描いた図柄を元にしています。
掛軸ですが、表装の扇面流しや錦の模様も鈴木其一が描いています。
軸も螺鈿を使っていて豪華です。
描かれているのは35人で1人足りないのは高貴な身分の斎宮女御(徽子女王)を
御簾によって暗示しているためとのことです。
右側の矢を背負った武官の装いの美男子は在原業平でしょう。

画面下の横向きの老人は柿本人麻呂でしょうか。
わいわいと賑やかで、皆楽しそうです。

尾形乾山の作品もかなり第1部と展示替えになっています。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一と観てくると、流れは近代日本画にまで
つながっていることを感じます。
私の行った2月13日は第2部が始まって最初の日曜日でしたが、開館時間直後から
どんどんお客さんが増え、人気の高い展覧会であることが分かります。
展覧会のHPです。
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