三越前
日本橋の三井記念美術館では「三井家のおひなさま」展が開かれています。
特別展示として、「創業三百年 吉徳これくしょんの名品」もあります。
会期は4月3日(日)までです。

[展示室1]
茶道具や工芸品の展示です。
「信楽写兎耳付水指」 野々村仁清 江戸時代・17世紀
展示室の最初にあります。
釉薬を使わない信楽焼の作りですが、生地も明るい色で、すっきりと品の良い
姿をしています。
兎を象った耳が付いていて、洒落れた感じがします。
兎年にちなんだ展示でしょう。
[展示室2]
「青磁浮牡丹文不遊環耳付花入」 元時代・14世紀
牡丹の浮彫りがされた青磁の花入です。
越前松平家の旧蔵で、九代将軍就任に際して老中控の間に飾られたことも
あるそうです。
[展示室3]
茶室のしつらえです。
「蕨図」 掛軸 狩野養信画・小堀宗中書 江戸時代・19世紀
早春らしく、志貴皇子の歌が書かれています。
石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」
[展示室4]
「雛人形・雛道具段飾り」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)
展示室の正面には赤い毛氈に人形、諸道具の段飾りがずらりと飾られています。
浅野久子氏(北三井家十一代・高公長女)の寄贈品です。
三人官女ならぬ五人官女という豪華さです。
「紫宸殿雛人形」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)

久子氏の初節句に祖父の三井高棟より贈られた品です。
「次郎左衛門雛」 二代永徳齋 明治~大正時代
三井鋹子(北三井家十一代・高公夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も勤めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。
江戸後期に江戸で流行し、公家や諸大名家では雛人形の本流とされたそうです。
[展示室5]
「梅鉢紋・違鷹羽紋蒔絵雛道具」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
三井苞子は旧富山藩主前田利声の長女です。
大きな箪笥、長持、駕籠などの調度品で、前田家の家紋である梅鉢紋とともに、
広島浅野家の家紋の違鷹羽紋が入っています。
祖母の久美が浅野家から輿入れの時に持参した品で、苞子に譲られたものです。
「立雛」 文化12年(1815年)
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵

災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
松は男、藤は女、撫子は子どもを表しています。
金地に緑と赤の華やかで上品な色彩です。
「享保雛」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
享保雛は男雛の両袖が張り、女雛は綿の入った分厚い五衣(いつつぎぬ)を
着ています。
「内裏雛」 四世大木平藏 明治33 年(1900年)
三井興子(伊皿子三井家九代・高長夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
今の人形に伝わる古今雛と呼ばれる面長の顔立ちです。
以下は、「吉徳これくしょん」の展示です。
[展示室6]
「天児(あまがつ)、這子(ほうこ)」 江戸時代・19世紀
幼時の枕元に置いて、災厄や病気を移し変えていた人形です。
[展示室7]
「花車に鶏」 大正2年(1913年)

北白川宮佐知子女王の初の参内の折に昭憲皇太后より戴いた御台人形です。
御台人形(おだいにんぎょう)は木の台に載った御所人形で、皇族の子女が
参内の折に頂戴しています。
「やまと人形」 二代平田郷陽 昭和初期

やまと人形とは市松人形のことで、昭和初期に市松人形が国際的贈答品として
使われるようになってから付けられた名です。
平田郷陽は人形を芸術として認めてもらうため努力を重ね、帝展への出品も
果たしています。
「礎」 野口光彦 昭和47年(1972年)

烏帽子を被り、運搬する材木の上に乗って音頭を取っている童子の姿です。
絵巻物でよく見る光景です。
野口光彦は御所人形の伝統に基いて新しい表現を行なっています。
平田郷陽と野口光彦の作品は竹橋の東京国立近代美術館工芸館で開かれていた、
「所蔵作品展 現代の人形-珠玉の人形コレクション」にも展示されていました。
「現代の人形-珠玉の人形コレクション」展の記事はこちらです。
各展示室に並んだ優美な雛人形の数々は、観ていてうっとりさせられます。
一年ぶりに箱から出され、行儀よく並んだお雛様は春の慶びに微笑んでいます。
この展覧会は毎年開かれますが、春の始まりにふさわしい年中行事です。
展覧会のHPです。
chariot
日本橋の三井記念美術館では「三井家のおひなさま」展が開かれています。
特別展示として、「創業三百年 吉徳これくしょんの名品」もあります。
会期は4月3日(日)までです。

[展示室1]
茶道具や工芸品の展示です。
「信楽写兎耳付水指」 野々村仁清 江戸時代・17世紀
展示室の最初にあります。
釉薬を使わない信楽焼の作りですが、生地も明るい色で、すっきりと品の良い
姿をしています。
兎を象った耳が付いていて、洒落れた感じがします。
兎年にちなんだ展示でしょう。
[展示室2]
「青磁浮牡丹文不遊環耳付花入」 元時代・14世紀
牡丹の浮彫りがされた青磁の花入です。
越前松平家の旧蔵で、九代将軍就任に際して老中控の間に飾られたことも
あるそうです。
[展示室3]
茶室のしつらえです。
「蕨図」 掛軸 狩野養信画・小堀宗中書 江戸時代・19世紀
早春らしく、志貴皇子の歌が書かれています。
石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」
[展示室4]
「雛人形・雛道具段飾り」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)
展示室の正面には赤い毛氈に人形、諸道具の段飾りがずらりと飾られています。
浅野久子氏(北三井家十一代・高公長女)の寄贈品です。
三人官女ならぬ五人官女という豪華さです。
「紫宸殿雛人形」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)

久子氏の初節句に祖父の三井高棟より贈られた品です。
「次郎左衛門雛」 二代永徳齋 明治~大正時代
三井鋹子(北三井家十一代・高公夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も勤めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。
江戸後期に江戸で流行し、公家や諸大名家では雛人形の本流とされたそうです。
[展示室5]
「梅鉢紋・違鷹羽紋蒔絵雛道具」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
三井苞子は旧富山藩主前田利声の長女です。
大きな箪笥、長持、駕籠などの調度品で、前田家の家紋である梅鉢紋とともに、
広島浅野家の家紋の違鷹羽紋が入っています。
祖母の久美が浅野家から輿入れの時に持参した品で、苞子に譲られたものです。
「立雛」 文化12年(1815年)
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵

災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
松は男、藤は女、撫子は子どもを表しています。
金地に緑と赤の華やかで上品な色彩です。
「享保雛」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
享保雛は男雛の両袖が張り、女雛は綿の入った分厚い五衣(いつつぎぬ)を
着ています。
「内裏雛」 四世大木平藏 明治33 年(1900年)
三井興子(伊皿子三井家九代・高長夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
今の人形に伝わる古今雛と呼ばれる面長の顔立ちです。
以下は、「吉徳これくしょん」の展示です。
[展示室6]
「天児(あまがつ)、這子(ほうこ)」 江戸時代・19世紀
幼時の枕元に置いて、災厄や病気を移し変えていた人形です。
[展示室7]
「花車に鶏」 大正2年(1913年)

北白川宮佐知子女王の初の参内の折に昭憲皇太后より戴いた御台人形です。
御台人形(おだいにんぎょう)は木の台に載った御所人形で、皇族の子女が
参内の折に頂戴しています。
「やまと人形」 二代平田郷陽 昭和初期

やまと人形とは市松人形のことで、昭和初期に市松人形が国際的贈答品として
使われるようになってから付けられた名です。
平田郷陽は人形を芸術として認めてもらうため努力を重ね、帝展への出品も
果たしています。
「礎」 野口光彦 昭和47年(1972年)

烏帽子を被り、運搬する材木の上に乗って音頭を取っている童子の姿です。
絵巻物でよく見る光景です。
野口光彦は御所人形の伝統に基いて新しい表現を行なっています。
平田郷陽と野口光彦の作品は竹橋の東京国立近代美術館工芸館で開かれていた、
「所蔵作品展 現代の人形-珠玉の人形コレクション」にも展示されていました。
「現代の人形-珠玉の人形コレクション」展の記事はこちらです。
各展示室に並んだ優美な雛人形の数々は、観ていてうっとりさせられます。
一年ぶりに箱から出され、行儀よく並んだお雛様は春の慶びに微笑んでいます。
この展覧会は毎年開かれますが、春の始まりにふさわしい年中行事です。
展覧会のHPです。
- 関連記事
trackback
trackback url ↓
https://nekoarena.blog.fc2.com/tb.php/940-2edb0040
https://nekoarena.blog.fc2.com/tb.php/940-2edb0040
blog_name=【サーカスな日々】 ♥ 220日目「三井家のおひなさま(三井記念美術館)」三越前
姪っ子メグ あー、気持ちのいい日曜日ね。朝から門前仲町。富岡八幡宮の恒例の日曜日に行われる「下町の骨董市」も、みんなゆるゆるで。キミオン叔父 骨董市自体は、まあどこかしら週末にはやられているんだけどね。ここ富岡八幡宮は、東京都では最大の八幡宮。江戸の時...
【2011/03/27 01:19】
【2011/03/27 01:19】
blog_name=【京の昼寝~♪】 ♥ 「三井家のおひなさま」展/三井記念美術館
「三井家のおひなさま」展/三井記念美術館
 
今日は3月3日、ひなまつりですね~今は女の子の節句として代々お雛様は伝承しているようですが、そもそもは昔はそうではなかったようですね。この「三井家のおひなさま」展、今年で6回目だそうです。「ぐる...
【2011/03/03 12:27】
【2011/03/03 12:27】