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「没後20年 中川一政展-独行此道-」 日本橋高島屋
日本橋
chariot

日本橋高島屋8階ホールでは、「没後20年 中川一政展-独行此道-」が
開かれています。
期間は3月21日(月・祝)までです。

中001


中川一政(1893-1991)は活き活きとした作風と洒脱な人柄で知られた画家で、
97歳で亡くなる直前まで盛んな創作活動を行なっています。
この展覧会では油彩画、岩彩画、書、陶器などの作品約100点が展示されています。

「酒倉」 油彩 1914年
21歳の時に当時は高価だった油絵具を贈られ、初めて描いた油彩画です。
空の下の一棟の酒倉を描いた小品ですが、ずっしりとした存在感のある作品です。
これが岸田劉生の目に留まり、画家への道を歩むことになります。

「春光」 油彩 1915年
中006

風景をかたまりとして捉え、厚塗りで描き込んでいます。

初期の作品も何点か展示されていますが、セザンヌ風だったり、ルソーのような
絵があったりします。
中川一政は正規の美術教育を受けておらず、それをずっと気にしていたとのことで、
同じく教育を受けずに独自の画風を確立したゴッホに傾倒します。

1949年、56歳で神奈川県の真鶴にアトリエを建て、以後20年近く福浦港の景色を
描き続けます。

「福浦風景」 油彩 1962年
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大きな画面に力強い筆遣いで盛り上がるように積み重なる家々が描かれていて、
中川一政らしい作風が表れています。
写生を重んじた中川一政は毎日、防波堤にキャンバスを立てて描いていたそうです。
「画は生きていなければならぬ。」という中川のモットー通り、感動がそのまま
画面に現われています。

「二つの壷の薔薇」 油彩 1986年
中004

中川一政は薔薇や向日葵もよく描いています。
どの作品も大らかで伸び伸びとしています。

「向日葵」 油彩 1982年
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ゴッホに傾倒していた中川ですが、同じ向日葵を描くとこうなります。
自由に思いのままに筆が走っています。

74歳からは22年間にわたって箱根駒ケ岳に取組みます。

「駒ケ岳」 油彩 1985
中005

やはり屋外に大きなキャンバスを立てて描いています。
どの作品も同じ場所からの眺めで、右上の雲も必ず描き込まれる構図です。
景色全体が大地から湧き上がっているような躍動感に溢れています。

「鯛(我のみや)」 岩彩 1986年
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日本画の顔料で描いています。
一匹の鯛の生命を見事に描き出しています。

上に書かれているのは万葉集の歌です。

  我のみや夜船は漕ぐと思へれば沖辺の方に櫂(楫)の音すなり

孤独と人懐かしさを詠んだ歌で、独行此道を信条とした中川一政自身を
表しているようです。

詩人、歌人でもある中川一政は歌会始の召人に選ばれ、和歌を詠進した
こともあります。

自作の抹茶茶碗や茶釜も展示されていますが、茶碗はかなり大ぶりで
屈託の無い作柄です。

中川一政の作品にはどれも自身の受けた新鮮な感動がそのまま表れているように
見えます。
97歳で亡くなるまでこの感動を持ち続けたことは素晴らしく、またうらやましくも
あります。

母親の出身地の石川県白山市にある白山市立松任中川一政記念美術館のHPです。

アトリエを構えた真鶴にある真鶴町立中川一政美術館のHPです。


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【2011/03/06 06:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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